俳句びとは、季語から一句を詠んで共有できる無料の俳句SNSです。気になる季語を選んで、一句詠んでみましょう。
正岡子規や高浜虚子などの名句(出典つき)とともに、12月を代表する季語を紹介します。
としのくれ
ぬす人のぬす人とるや年の暮
意味・由来 「年の暮」は、一年の終わりである十二月下旬の押し迫った時期を表す冬の代表的な季語です。「歳末」や「年の瀬」とも通じる言葉ですが、単なる暦の区切りにとどまらず、去りゆく一年への名残惜しさや無事に過ごせた安堵感、新年を迎える準備の慌ただしさなど、人の営みと感慨が深く重なり合った情緒豊かな表現
しわす
いそがしく時計の動く師走哉
意味・由来 「師走」は陰暦十二月の異称で、現代でも十二月全般を指す晩冬の代表的な季語です。語源には諸説ありますが、普段は落ち着いて歩く僧侶(法師)でさえも、仏事のために東西へ忙しく走り回る「師馳す(しはす)」から転じたという説が最も広く知られています。一年の締めくくりを迎え、社会全体や人々の暮らしが
おおみそか・おおつごもり
追ひかけて届く鯛あり大晦日
意味・由来 「大晦日(おおみそか・おおつごもり)」は、一年の最後の日である十二月三十一日を表す冬の季語です。「みそか」は本来、毎月の三十日(月末)を意味し、「つごもり」は月が隠れる「月隠(つきごもり)」が変化した言葉です。一年を締めくくる最も大切な月末であることから「大」の字が冠されました。古くから
とうじ
ありたけの日受を村の冬至哉
意味・由来 冬至は二十四節気の一つで、毎年十二月二十二日頃にあたります。一年の中で最も昼の時間が短く、夜が最も長くなる日です。古代中国の易学では、陰の気が極まり再び陽の気が蘇る「一陽来復」の節目とされ、衰えていた運気が好転するおめでたい日として重んじられてきました。日本でも古くから、邪気を払い無病息
としわすれ
人に家を買はせて我れは年忘
意味・由来 「年忘(としわすれ)」とは、その年一年の苦労や辛さを忘れ、清々しい気持ちで新年を迎えようと年末に開く酒宴や集まりのことを指します。現代で言う「忘年会」にあたりますが、俳句において「年忘」と言うと、単なる宴会騒ぎにとどまらず、過ぎ去る月日を惜しむ心や、無事に一年を過ごせたことへの感謝といっ
すすはき
煤掃は己が棚つる大工かな
意味・由来 「煤掃(すすはき)」は、一年の終わりに家中の煤や埃を払い清める年末の大掃除のことです。「煤払(すすはらい)」とも呼ばれます。古くは十二月十三日を「事始め」と定め、この日から正月様(年神様)をお迎えするための準備として煤掃きを行いました。江戸時代には城中から庶民の町屋まで一斉に行われ、無事
さむさ
夜著かたくからだにそはぬ寒さ哉
意味・由来 「寒さ」は、冬の大気がもたらす厳しい冷気や、それに伴う肌感覚そのものを表す代表的な三冬の季語です。「冷たさ」が物に触れたときの局所的な感覚を指すことが多いのに対し、「寒さ」は空間全体に満ちる身を切るような体感を指します。古くから人々の暮らしに寄り添う季語であり、単なる気温の低さだけでなく
ふゆごもり
神の代はかくやありけん冬籠
意味・由来 「冬籠(ふゆごもり)」とは、厳しい冬の寒さや雪を避けるため、外出を控えて家の中にじっと籠もって過ごすことを指す季語です。特に雪深い地域では、雪に閉ざされて外部との往来が途絶える切実な生活の知恵でもありました。現代では、暖房の効いた室内で読書や手仕事、創作などに打ち込みながら、心静かに春を
かれの
三日月を相手にあるく枯野哉
意味・由来 「枯野(かれの)」とは、草木がすっかり枯れ果てて茶褐色に覆われた冬の野原を指します。青々と茂っていた生命の営みが静まり返り、荒涼とした静寂が広がる冬の代表的な季語です。松尾芭蕉の辞世の句として知られる「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」(原典『枯尾華』では「旅に病で夢は枯野をかけ廻る」)の
すいせん
初雪や水仙の葉のたわむ程
意味・由来 水仙は、寒さが本格的になる初冬から早春にかけて、凛とした美しい花を咲かせる冬を代表する植物の季語です。原産は地中海沿岸ですが、日本には古い時代に中国を経由して渡来しました。中国の古典において「水にある仙人」を意味する「水仙」と呼ばれていたことが名前の由来で、水辺を好み、汚れのない気品に満
しもよ
笘の霜夜の間にちりし紅葉哉
意味・由来 「霜夜(しもよ)」とは、霜が降りるほどに冷え込みの激しい冬の夜のことを指す季語です。放射冷却現象によって地表の熱が奪われ、大気が澄み渡ることで、空気は凍てつき、夜空には星が冴え冴えと輝きます。古来、ただ寒いだけでなく、静寂や張り詰めた緊張感、そしてどこか厳かな美しさを伴う夜の代名詞として
かんげつ
寒月に悲しすぎたり兩大師
意味・由来 寒月とは、凍てつく冬の夜空に冴えわたる月のことです。秋の月のような情緒的な温もりや風流さとは異なり、肌を刺すような厳しい寒気の中で、青白く鋭利に輝く独特の美しさを持っています。空気が澄み渡っているからこそ感じられる、研ぎ澄まされた光と張り詰めた静寂がこの季語の真骨頂です。 この季語で詠む