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「水洟(みずばな)」とは、冬の寒さにさらされたときや風邪の初期などに、思わず鼻から垂れてくる無色透明の薄い鼻水のことです。寒冷刺激によって自然と生じる生理現象であり、冬の寒さの厳しさを身近な身体感覚として捉えた生活感あふれる季語です。少し滑稽な味わいを持ちながらも、寒風の中で健気に生きる人間の哀愁や、季節のリアルな実感を鮮やかに映し出してくれます。
単なる生理現象として描くだけでは下品になりがちですので、寒さや日常の一コマを生き生きと切り取るためのスパイスとして使うのがポイントです。自分自身のちょっと格好悪い姿をユーモラスに客観視したり、懸命に仕事や作業に打ち込んでいる姿と合わせたりすることで、読者の共感を誘う温かい句になります。芥川龍之介の「水洟や鼻の先だけ暮れ残る」のように、情景の寒さと自分の身体感覚を素直に結びつけてみましょう。
外気で体が冷える屋外の場面や、飾らない日常の動作と抜群の相性を見せます。 ・日常の動作:自転車、立ち話、庭掃除、小走り、荷運び ・身の回りの物:手袋、ポケット、手拭い、襟巻 ・季節の情景:夕暮れ、寒風、木枯らし、寒空 何かに夢中になっていてふと気付いた瞬間や、寒風に吹かれながら歩く情景を取り合わせると、実感がこもった一句に仕上がります。