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「風邪(かぜ)」は、冬の寒さや乾燥によって引き起こされる呼吸器の急性炎症、いわゆる感冒のことです。古くは「風(ふう)の邪気(じゃき)」、つまり体に害をもたらす悪風が体内に入り込むことで生じる病と考えられていました。現代では一年中かかる病気ですが、俳句の世界では寒風が吹き身も心も冷え込む冬の実感を強く伴うため、冬の生活に根ざした代表的な季語として親しまれています。
単に「熱があって苦しい」「咳が止まらない」といった病状の説明にとどまってしまうと、報告のような句になりがちです。風邪をひいたことで普段とは違って見える日常の風景や、研ぎ澄まされる感覚を捉えるのが上達のコツです。寝床から見つめる天井の木目、看病してくれる人の気配、窓の外の光の眩しさ、微熱のなかでふと遠い昔を思い出す心の揺らぎなど、病床ならではの内省的な時間や小さな発見を描いてみましょう。
・生活用品や病床の道具:体温計、枕、白湯、林檎、薬の包み、水枕 ・室内や光の情景:障子、天井の染み、薄日、日暮れ、時計の音 ・身近な動作や心情:うたた寝、看病、手のひらの温もり、静寂