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「鴨」は冬の代表的な季語で、秋の深まりとともに北方から越冬のために日本へ渡ってくる水鳥の総称です。真鴨や小鴨、尾長鴨など多くの種類がおり、池や川、お城の堀などに群れをなして飛来します。冷たく澄んだ水面にぷかぷかと浮かぶ姿は、古来より日本の冬の原風景として親しまれてきました。寒さに耐えながらもどこかのどかな佇まいや、夕暮れ時に一斉に飛び立つ力強さなど、さまざまな冬の情趣を運んでくれる鳥です。
鴨を詠む際は、ただ群れている様子を描くだけでなく、その細やかな動きや周囲の光景に着目するのがコツです。お尻を水面に向けて餌を探すユーモラスな動作、水面に広がる波紋、あるいは夕日を受けて輝く羽の色など、焦点を絞ると鮮やかな句になります。水や風の冷たさを背景に置くことで、鳥の持つ温もりや生命力を際立たせることもできます。
・場所や水:お堀、古池、水輪(みなわ)、夕波、川瀬、浮き寝 ・動作や音:潜く(かづく=潜ること)、羽音、棹(さお)さす、一陣の風 ・時間や天候:夕暮、朝靄、薄日、寒月、木枯らし