季語辞典で見つけた素敵な言葉を使って、今日の一句を詠んでみませんか?無料で投稿でき、他の愛好家と交流できます。
「鉢叩(はちたたき)」は、冬の寒夜の風情を伝える人情味あふれる季語です。平安時代の僧・空也上人が広めた空也念仏の流れを汲むもので、中世以降、京都の六波羅蜜寺周辺などに住む「空也堂」の念仏聖たちが、十一月十三日の空也忌から年の瀬までの約四十八日間、夜に念仏を唱えながら家々を巡り歩いた風習を指します。瓢箪や鉦、小鍋などを叩きながら独特の節回しで哀切に歌い歩く姿は、冬の京の夜の風物詩として定着し、江戸時代には庶民の生活感情と深く結びついた冬の代表的な季語として親しまれるようになりました。
「鉢叩」の最も大きな魅力は、冬の静まり返った夜の闇に響く、乾いた物悲しい打楽器の音色と念仏の唱和という「聴覚的な風情」にあります。まずは、寒さの厳しい夜の空気感や、遠くから聞こえてきて次第に遠ざかっていく音の遠近感を意識してみましょう。また、師走の慌ただしい町並みや、貧しくとも懸命に生きる庶民の哀愁、過ぎ去る一年への無常観などを背景に描くと、句に深い情緒と奥行きが生まれます。単に風習を描写するだけでなく、その音を聞きながら布団の中で耳を澄ます人物の心情などを取り合わせるのも効果的です。
・音や響きを表す言葉:遠音、鉦の音、瓢箪、拍子、夜の声 ・時間帯や情景を表す言葉:寒夜、冬の月、夜更け、町屋、師走、辻 ・心情や感覚を表す言葉:侘し、哀れ、耳傾く、去りゆく