霜夜
winter 時候

霜夜

しもよ

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意味・由来

「霜夜(しもよ)」とは、霜が降りるほどに冷え込みの激しい冬の夜のことを指す季語です。放射冷却現象によって地表の熱が奪われ、大気が澄み渡ることで、空気は凍てつき、夜空には星が冴え冴えと輝きます。古来、ただ寒いだけでなく、静寂や張り詰めた緊張感、そしてどこか厳かな美しさを伴う夜の代名詞として、多くの俳人に好まれてきました。

この季語で詠むコツ

霜夜を詠む際は、単に「寒い」という主観的な感覚を述べるだけでなく、その冷気によってもたらされる「五感の揺らぎ」や「室内の静寂」を具体的に描写するのがコツです。例えば、冷え切った寝具の手触り、遠くから聞こえるかすかな音、あるいは灯りを消した瞬間の闇の濃さなど、微細な変化に目を向けることで、霜夜の張り詰めた空気感がより鮮明に伝わります。

相性のいい言葉・取り合わせ

霜夜という季語自体に強い冷気と静寂のイメージがあるため、あえてそれと対比させる温かみのある言葉(「灯」「ともしび」「火」「体温」など)や、逆に静けさを際立たせるかすかな音(「時計の音」「汽笛」「遠い足音」など)を取り合わせると効果的です。また、「消す」「遮る」「冴える」といった、動きを制限したり感覚を鋭敏にしたりする表現とも非常によく調和します。

霜夜」の俳句例 (3件)

霜夜とはなりぬるものの目覚めかな
内藤丈草【現代語訳】ふと目を覚ますと、底冷えのするこの寒さは、いつの間にか霜の降りるような厳しい冬の夜(霜夜)になっていたのだなぁ。 【鑑賞】静寂と冷気の中でふと目覚めた作者が、肌に伝わる寒さだけで屋外に霜が降りていることを直感的に悟った瞬間を詠んでいます。静まり返った夜の闇と、深い静寂、そして凛とした空気感が、簡潔な言葉で見事に表現されています。
霜夜の灯消さば闇なるほかはなし
水原秋桜子【現代語訳】霜の降りる寒い夜、灯しているあかりを消してしまえば、そこにはただ深い闇が広がるほかはないのだ。 【鑑賞】日常の何気ない行為である「灯を消す」ことを通して、霜夜の冷酷なまでの闇の深さと静けさを際立たせています。灯を消した瞬間に押し寄せる、冷たく絶対的な暗闇への対峙が、主観的かつ知的なタッチで描かれています。
霜夜また一聯の灯の消えにけり
久保田万太郎【現代語訳】厳しい霜の降りる夜、また一つ、連なった街灯(または建物の明かり)が消えていってしまった。 【鑑賞】夜が更けるにつれて、街の灯りがひとつ、またひとつと消えていく光景を詠んでいます。「一聯(いちれん)の灯」という表現から、連なる街灯や電車の窓灯りが想起されます。消え去る灯りとともに、霜夜の寂しさと冷え込みがいっそう厳しく感じられる名句です。

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