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「節季候(せきぞろ・せっきぞろ)」とは、年の暮れ(節季)に家々の門前に立ち、歌や踊りを披露して銭や米をもらっていた大道芸人・門付(かどづけ)のことです。赤い頭巾をかぶり、細かく割った竹の筅(ささら)をすり鳴らしながら「節季候、節季候」と囃し立てて巡り歩きました。一年の終わりが迫る慌ただしさや切迫感とともに、どこか滑稽で物悲しい庶民の暮らしぶりを伝える、晩冬を代表する情趣豊かな季語です。松尾芭蕉も「節季候をよろこぶ顔の雀哉」などの名句を残しています。
現代では実際に見られなくなった風物詩であるため、江戸時代などの町屋の情景や歴史的な風情に思いを馳せて詠むのが基本となります。年の瀬が押し迫る焦燥感、貧しさの中にある人情の温かみ、また冬の寒さと賑やかな囃し声の対比などを意識すると、句に奥行きが生まれます。芸人の風貌だけでなく、家の中から迎える家族の反応や、足早に通り過ぎる暮れの街の様子などを捉えると情景が鮮やかに立ち上がります。
・視覚や動作を想起させる言葉:赤頭巾、竹筅(ささら)、門口、土間、銭、笠、足音 ・年の瀬の情景を表す言葉:暮れ、師走、煤払い、夕暮れ、寒風、雪、路地 ・感情や音を捉える言葉:囃し声、哀歓、貧し、慌ただし、笑い