布子
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意味・由来

布子(ぬのこ)とは、木綿などの布の間に綿(わた)を入れた、防寒用の衣服のことです。現代でいう「綿入れ」を指しますが、絹を用いた贅沢な防寒着とは異なり、庶民が冬の寒さをしのぐために身につけた素朴な日常着としての響きを持っています。古くは麻布で作られたこともあり、つつましい生活や厳冬を耐え忍ぶ人々の暮らしぶりが色濃く宿る、冬を代表する生活の季語です。松尾芭蕉が旅の途中で防寒のために布子を贈られ、その情愛に感謝して詠んだ句などもよく知られています。

この季語で詠むコツ

布子を詠む際は、単なる防寒具としての説明にとどまらず、使い込まれた風合いや、身にまとう人の息遣いを写し取ることが大切です。擦り切れた衿や重ねられた継ぎ当て、ずっしりとした綿の重み、陽だまりのような温もりなど、手触りや重量感を具体的に描写すると実感がこもります。また、冬の厳しい寒風や貧しさの中にある「人情のあたたかさ」「老いや侘しさの風情」を対比させて詠むと、より深い余韻が生まれます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・風合いや触覚:重き、継ぎ当て、つぎはぎ、すり切れ、温もり、古びたる ・暮らしの情景:囲炉裏、炉端、土間、夕餉、繕い、古箪笥 ・冬の風物:木枯らし、霜夜、寒波、日向、夕影 ・人物や情愛:老い、母、幼子、旅人、ひとり寝

「布子」の俳句例 (1件)

古布子新しきごと畳まれぬ

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