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「丹前(たんぜん)」とは、厚く綿を入れた防寒用の着物のことです。広袖で丈が長く、主に部屋着やくつろぎ着、湯上がりの羽織として着用されます。 その由来は江戸時代前期、神田鍛冶町にあった旗本・堀丹後守の屋敷の前にあった湯風呂(通称・丹前風呂)に通う男たちの間で、派手な縞柄の厚綿着物が流行したことに始まります。これが庶民の間にも広まり、防寒着として定着しました。地域や形によっては「どてら」とも呼ばれ、厳しい寒さから身を守る冬の生活に欠かせない、ぬくもりあふれる季語です。
丹前を詠む際は、ただ「寒いから着た」という状況説明にとどまらず、丹前特有の「ずっしりとした綿の重み」や「体をすっぽりと包み込む安心感」を描写するのがポイントです。 日常のくつろいだ姿や、少し着崩した家庭的なだらしなさ、あるいは温泉宿での湯上がりの心地よい余韻など、着ている人の心理や空間の気配を重ね合わせると味わい深くなります。また、脱ぎ置かれた丹前のふくらみから、直前までそこにいた人の体温を表現するのも効果的です。
・身体感覚を表す言葉:重き、ぬくし、湯冷め、肩、衿(えり) ・生活空間・家具:長火鉢、炬燵、宿、茶の間、縁側、夜更け ・柄や質感:縞柄、格子、木綿、厚み、くたびれ