俳句びとは、季語から一句を詠んで共有できる無料の俳句SNSです。気になる季語を選んで、一句詠んでみましょう。
正岡子規や高浜虚子などの名句(出典つき)とともに、5月を代表する季語を紹介します。
ぼたん
金箱のうなりに開く牡丹哉
牡丹(ぼたん)は、古くから多くの俳人に愛されてきた季語です。この季語が持つ背景や歴史的文脈を理解することで、より深みのある俳句を詠むことができます。情景をありのままに写生したり、自分の感情を重ね合わせたりと、様々な表現方法が存在します。
すずし
涼しさや行燈消えて水の音
意味・由来 「涼し」は、厳しい暑さが続く夏だからこそ強く実感される、心地よい涼気や爽快感をたたえる季語です。秋の寒冷へと向かう涼しさではなく、夏の炎天下や日中の熱気の中でふと出会う木陰の風、清らかな水音、夕暮れのひとときに感じる「暑さからの解放」を意味しています。古来より人々は、この一瞬の涼を慈しみ
うのはな
卯の花に雲のはなれし夜明哉
意味・由来 「卯の花(うのはな)」は、アジサイ科の落葉低木であるウツギ(空木)の花のことです。旧暦四月を「卯月(うづき)」と呼ぶのは、この花が咲く季節であることに由来するとも言われています。初夏の山野や庭先、垣根などに、純白の可憐な小花がこぼれんばかりに群がり咲きます。『万葉集』の時代からホトトギス
たけのこ
竹の子や稚き時の繪のすさび
意味・由来 竹の地下茎から生え出る若い芽のことで、初夏の訪れを告げる代表的な季語です。わずか十日(一旬)ほどで竹へと急成長することから「筍」という漢字が当てられたとされています。古くから人々の食卓を潤す山の恵みであり、みずみずしい竹林の情景とともに、自然界の力強い生命力を象徴する存在として愛されてき
わかば
絶間より人馬の通ふ若葉哉
意味・由来 「若葉」は、初夏を迎えて樹木が一斉に伸び広げた、生まれたばかりの瑞々しい葉のことです。春の「芽吹き」を経て、柔らかく透き通るような緑色を湛えた様子を指します。春が終わり、日差しが次第に強くなる初夏の訪れを視覚的に象徴する代表的な季語です。木々の力強い生命力と、目に染みるような清々しさを感
いばら
杖もつて花ざかりなる茨かな
意味・由来 「茨(いばら)」は、主に野茨(ノイバラ)を指し、初夏に野山や川原、道端などに群がり咲くバラ科の落葉低木です。枝に鋭い棘(とげ)を持つことが大きな特徴で、初夏になると五弁の小さな白い花を房状にたくさん咲かせ、あたり一面に甘く爽やかな香りを漂わせます。古くは『万葉集』の時代から「うまら」など
むぎ
麥の穗を泪に染めて啼く雲雀
意味・由来 麦といえばパンや麺類、ビールの原料として馴染み深い穀物ですが、俳句において単に「麦」と詠む場合は、初夏から仲夏にかけて黄金色に実った麦、あるいはその収穫期の麦そのものを指し、夏の季語となります。稲が秋に実りを迎えるのに対して、麦は初夏に熟して収穫の時期を迎えるため、この季節は「麦秋(ばく
ゆうだち
夕立や草葉を掴むむら雀
夏の午後から夕方にかけて、急に空が暗くなり、激しく降る雨のことです。雷を伴うことも多く、短時間で降り上がった後には、空気が一変して涼風が吹き、打ち水をしたような爽やかさが残ります。夏の強烈なエネルギーと、その後の静寂の対比が魅力の季語です。 詠む際のコツ 「急に降ってきた」という事実だけでなく、雨粒
あおば
どんよりと青葉にひかる卯月哉
意味・由来 「青葉」とは、初夏から夏にかけて、木々に青々と生い茂る葉のことです。春に芽吹いたやわらかな「若葉」が日差しを浴びて次第に色を深め、生命力に満ちあふれた状態を指します。古くから詩歌に詠まれてきた親しみ深い言葉であり、単なる緑色にとどまらず、初夏の訪れとともに自然界全体が活力を取り戻していく
うづき
どんよりと青葉にひかる卯月哉
意味・由来 「卯月(うづき)」は旧暦四月の異称で、俳句では初夏の季語となります。現在の暦では五月頃にあたり、爽やかな風が吹き渡り、万物が生き生きと輝き出す季節です。 その名前の由来には諸説ありますが、最も広く知られているのは「卯の花(ウツギの花)が咲く月」から転じたという説です。ほかにも、稲を植える
しいのはな
椎の花の心にも似よ木曾の旅
意味・由来 「椎の花(しいのはな)」は初夏に咲くブナ科の常緑高木、シイ(スダジイやツブラジイ)の花のことです。五月から六月頃にかけて淡い黄白色の小花をびっしりと咲かせ、遠くから見ると山全体が黄金色や白っぽく煙るように覆われます。また、栗の花に似た独特の濃厚でむせかえるような強い匂いを放つことも大きな
のぼり
幟の尾垂れたる見えて夕庇
意味・由来 「幟(のぼり)」は、初夏の季語で、端午の節句に男児の健やかな成長と出世を願って庭先などに立てられる「五月幟(ごがつのぼり)」のことを指します。江戸時代、武家が端午の節句に家紋をつけた旗指物などを立てた風習に由来し、やがて町人たちの間でも鍾馗や武者絵を描いた絵幟や吹き流しが立てられるように