麦
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意味・由来

麦といえばパンや麺類、ビールの原料として馴染み深い穀物ですが、俳句において単に「麦」と詠む場合は、初夏から仲夏にかけて黄金色に実った麦、あるいはその収穫期の麦そのものを指し、夏の季語となります。稲が秋に実りを迎えるのに対して、麦は初夏に熟して収穫の時期を迎えるため、この季節は「麦秋(ばくしゅう)」とも呼ばれます。周囲の木々が青葉を茂らせる初夏の景色の中で、麦畑だけが一足早く黄金色に輝く光景は、古くから人々に豊かな季節の移ろいを感じさせてきました。

この季語で詠むコツ

麦を詠む際には、その色彩の鮮やかさや、風を受けたときの動的な姿に注目するのがコツです。初夏の爽やかな青空と黄金色の畑の対比を描くだけでも美しい情景になります。また、麦の穂が波打つように揺れる風の音、熟した穂の乾いた感触や麦藁の匂いなど、五感を働かせて詠み込むと句に深みが生まれます。遠景として広大な畑の広がりを捉えるか、あるいは足元の一本の麦の穂に焦点を当てるか、視点の広げ方を意識してみましょう。

相性のいい言葉・取り合わせ

・光、日射し、青空(初夏の明るい空と黄金色の対比) ・風、波、うねり(麦畑が風に吹かれて揺れる様子) ・街道、遠山、農道(麦畑を取り巻く素朴な風景) ・刈る、鎌、束ねる(収穫に汗を流す人々の営み)

「麦」の俳句例 (5件)

麥の穗を泪に染めて啼く雲雀
松尾芭蕉『芭蕉俳句全集』(Wikisource)
行人の背にある蝿や麦の秋
松本たかし『松本たかし句集』(青空文庫)
一日々々麥赤らみて啼く雲雀
松尾芭蕉『芭蕉俳句全集』(Wikisource)
麥の穗をたよりにつかむ別れ哉
松尾芭蕉『芭蕉俳句全集』(Wikisource)
行駒の麥になぐさむやどり哉
松尾芭蕉『芭蕉俳句全集』(Wikisource)

みんなの「麦」の詠み

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