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「茨(いばら)」は、主に野茨(ノイバラ)を指し、初夏に野山や川原、道端などに群がり咲くバラ科の落葉低木です。枝に鋭い棘(とげ)を持つことが大きな特徴で、初夏になると五弁の小さな白い花を房状にたくさん咲かせ、あたり一面に甘く爽やかな香りを漂わせます。古くは『万葉集』の時代から「うまら」などと呼ばれて親しまれてきました。単に「茨」と言うだけでも俳句では夏の季語となり、初夏の旺盛な植物の生命力を象徴します。
茨を詠む際は、「鋭い棘の痛々しさや野生味」と「白く可憐な花の清らかさ・甘い香り」という鮮やかな対比に着目するのがコツです。手入れされた庭の薔薇とは異なり、野原の茂みや崩れかけた土手などに力強く茂る素朴な風情があります。触れてチクリとした痛みの記憶、茂みの深さ、初夏の強い光線や吹き抜ける風など、五感を働かせた具体的な描写を取り入れると、野趣あふれる生き生きとした一句に仕上がります。
・棘(とげ)、匂ひ、白(視覚や触覚・嗅覚に訴える無季の言葉) ・畦道、古城、土手、石垣(野性味が引き立つ場所の言葉) ・夏空、南風、夏の日(同じ夏の季節感を広げる言葉)
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