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「あやめ草」は、端午の節句に軒へ挿したり菖蒲湯に入れたりするサトイモ科の「菖蒲(ショウブ)」の古名です。現代で親しまれているアヤメ科の美しい紫の花を咲かせる植物とは異なり、強い芳香を持つ細長い葉が特徴です。古くからその香りで邪気を払う薬草として大切にされ、平安時代の『古今和歌集』をはじめとする古典和歌にも頻繁に登場します。歴史ある風情と薬効への信仰が結びついた、初夏の情緒豊かな季語です。
花を愛でるのではなく、葉そのものが放つ清々しい香気や、節句にまつわる人々の暮らしぶりに着目するのがポイントです。無病息災を願って軒端に葺く様子や、湯船に浮かべたときの瑞々しい緑、薬草としての力強さに思いを馳せてみましょう。「あやめ草」という古風で美しい調べを活かし、少し落ち着いた格調ある表現を目指すと風情が深まります。