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「行々子(ぎょうぎょうし)」とは、初夏に日本へ渡ってくる野鳥「オオヨシキリ」の別名です。川辺や湖沼の葦原(あしはら)に生息し、初夏から夏にかけて「ギョギョシ、ギョギョシ」「ケケシ」と非常に甲高くけたたましい声で鳴き続けます。その大声で騒がしく鳴き立てる様子が、まるで「仰々しい(ぎょうぎょうしい)」ようだとして、親しみを込めてこの名が付けられました。真っ赤な口の中を見せて懸命に鳴く姿は、夏の水辺の活気を象徴する風物詩です。
行々子を詠む際は、その「圧倒的な声の存在感」と「水辺の広がり」を意識することが大切です。姿は見えねど茂みの中から絶え間なく聞こえてくる声のやかましさや、その声に包まれる川原の情景を五感で捉えましょう。また、静かな水面のたたずまいや長閑な川風と、この鳥のけたたましい鳴き声とを対比させると、より初夏の生命力やユーモアが際立ちます。鳴き声そのものを擬音で入れるだけでなく、声を聞いている側の心情や周囲の動きを取り合わせるのが上達の近道です。
・水辺の風景(葦原、川波、青田、土手) ・夏の光や空気(夏の雲、川風、青空、昼下がり) ・鳥の様子や動作(大口、鳴きやまず、隠れ、揺れる)