水鶏

水鶏

くいな

別の表記・呼び名:秧鶏(くいな)

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意味・由来

「水鶏(くいな)」は、湿地や水田、アシ原などに生息するツル目クイナ科の野鳥で、夏の季語です。警戒心が強く草むらに隠れて姿を現すことはめったにありませんが、繁殖期である初夏から夏にかけて、オスが「クイクイ」「コンコン」とリズミカルに鳴きます。この鳴き声がまるで誰かが戸を叩いているように聞こえることから、古典和歌の時代より「水鶏たたく」と表現され、風情ある夏の夕暮れや夜の風物詩として親しまれてきました。

この季語で詠むコツ

水鶏は姿を見せる鳥ではないため、視覚よりも「聴覚」を働かせて詠むのが最大のコツです。周囲の静寂を描くことで、かえって水鶏の鳴き声を引き立たせることができます。例えば、夕暮れの帰り道、静まり返った水辺、古びた家の戸口など、静けさや寂しさを感じさせる情景と組み合わせると、情感豊かな一句になります。姿を描くのではなく「音が響いた瞬間の心の動き」を意識して詠んでみましょう。

相性のいい言葉・取り合わせ

・戸口、木戸、格子(鳴き声の「叩く」に呼応する無季の言葉) ・沼、沢、水辺、草むら(生息地を連想させる無季の言葉) ・夕餉、灯火、闇、雨宿り(静かな時間帯や情景を表す無季の言葉) ・青田、短夜、夏草(夏ならではの情景と重ねる言葉)

「水鶏」の俳句例 (3件)

水鷄叩き鼠答へて夜は明ぬ
正岡子規『寒山落木 巻一』(青空文庫)
ある時は叩きそこなふ水鷄哉
正岡子規『寒山落木 巻一』(青空文庫)
叩けとて水鷄にとさすいほり哉
正岡子規『寒山落木 巻一』(青空文庫)

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