俳句びとは、季語から一句を詠んで共有できる無料の俳句SNSです。気になる季語を選んで、一句詠んでみましょう。
正岡子規や高浜虚子などの名句(出典つき)とともに、6月を代表する季語を紹介します。
すずし
涼しさや行燈消えて水の音
意味・由来 「涼し」は、厳しい暑さが続く夏だからこそ強く実感される、心地よい涼気や爽快感をたたえる季語です。秋の寒冷へと向かう涼しさではなく、夏の炎天下や日中の熱気の中でふと出会う木陰の風、清らかな水音、夕暮れのひとときに感じる「暑さからの解放」を意味しています。古来より人々は、この一瞬の涼を慈しみ
つゆ・ばいう
梅雨晴にさはるものなし一本木
梅雨(つゆ・ばいう)は、初夏から仲夏にかけて日本などの東アジア特有の雨季を指す季語で、分類は「天文」にあたります。梅の実が熟す頃に降る雨であることから「梅雨」という字があてられたと言われています。長雨による鬱陶しさや湿気を感じる一方で、農作物を潤し、生命を育む大切な恵みの雨でもあります。傍題として「
ほたる
大蛍ゆらりゆらりと通りけり
蛍(ほたる)は、夏の夜の水辺を淡い光を放ちながら飛ぶ昆虫で、仲夏(6月頃)の季語です。分類は「動物」にあたります。日本では古くから蛍の光は儚さや恋心の象徴とされ、和歌や俳句に数多く詠まれてきました。代表的な種はゲンジボタルとヘイケボタルで、清流の近くに生息します。水辺を漂う幽玄な光は、日本の夏の原風
あじさい
紫陽花や帷子時の薄浅黄
紫陽花(あじさい)は、梅雨の時期(仲夏)を代表する美しい花を咲かせる落葉低木で、分類は「植物」にあたります。土壌の酸性度によって花の色が青、紫、ピンクへと変化することから「七変化」とも呼ばれます。雨に濡れた紫陽花はことのほか風情があり、梅雨の風物詩として古くから親しまれてきました。「四葩(よひら)」
さなえ
鶯や野を見下せは早苗とり
意味・由来 「早苗」とは、田植えをする頃の稲の若い苗のことです。古くは「さ」が稲の神様を意味する接頭語であり、神に捧げる清らかな苗という意味合いも込められていました。苗代から引き抜いて束ねた苗や、植えられたばかりの瑞々しい緑の苗を指します。初夏の澄んだ水田に規則正しく並ぶ姿は、爽やかで生命感に満ちた
たうえ
女房のとかくおくれる田植哉
意味・由来 「田植(たうえ)」は、初夏を代表する夏の季語です。苗代で育てた稲の苗を抜き取り、本田へと植え替える農作業を指します。古くから日本の農村において最も重要な行事の一つであり、かつては村人が総出で助け合い、田植歌を歌いながら賑やかに行われました。現代では機械化が進み作業風景は変化しましたが、水
つゆばれ
梅雨晴やところ/\に蟻の道
意味・由来 「梅雨晴(つゆばれ)」とは、長く雨が降り続く梅雨の合間に、一時的に雨が上がって青空が広がる天候を指す夏の季語です。「梅雨晴間(つゆはれま)」や「梅雨の晴」とも呼ばれます。鬱陶しい長雨が続く中で、ふいに雲が切れて太陽が顔を出すときの眩しさや、心身が解き放たれるような爽快感を伴う言葉です。た
さおとめ
早乙女やとる手かゝる手ひまもなき
意味・由来 「早乙女(さおとめ)」とは、田植えをする女性のことを指す仲夏の季語です。「さ」は稲の神様や田を意味する古代の言葉で、神事に奉仕して苗を植える清らかな乙女という意味が込められています。かつては紺絣の着物に赤い茜襷(あかねだすき)を掛け、菅笠をかぶって田植歌を歌いながら一列になって作業を行い
ゆうだち
夕立や草葉を掴むむら雀
夏の午後から夕方にかけて、急に空が暗くなり、激しく降る雨のことです。雷を伴うことも多く、短時間で降り上がった後には、空気が一変して涼風が吹き、打ち水をしたような爽やかさが残ります。夏の強烈なエネルギーと、その後の静寂の対比が魅力の季語です。 詠む際のコツ 「急に降ってきた」という事実だけでなく、雨粒
あおうめ
青梅に眉あつめたる美人かな
青梅(あおうめ)は、初夏から仲夏にかけて実る、まだ熟していない青い梅の実を指す季語で、分類は「植物」にあたります。さわやかな酸味があり、梅酒や梅シロップ、梅干しなどの材料として利用されます。葉の緑に紛れるようになりながらも、雨に濡れて光る青い実は、夏の初めのみずみずしさと生命力を象徴します。「梅の実
はなあおい
屏の上へさきのほりけり花葵
意味・由来 花葵(はなあおい)は、一般にアオイ科の「立葵(たちあおい)」の花を指す夏の季語です。まっすぐに伸びた茎に、下から上へと順に色鮮やかな大輪の花を咲かせていきます。ちょうど梅雨の始まり頃に咲き始め、てっぺんまで咲き揃う頃に梅雨が明けると言われることから、「梅雨葵(つゆあおい)」の別名も持って
なすび・なす
眞黒に茄子ひかるや夏の月
意味・由来 「茄子(なす/なすび)」は、夏を代表する身近で親しみ深い野菜の季語です。インド原産とされ、日本には奈良時代頃に伝わりました。「早く実を結ぶ」ことや「実を結ぶ=事を成す」に通じることから、縁起の良い作物としても重宝されてきました。独特の深みのある紫色と艶やかな光沢、みずみずしい果肉は、古く