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「杜宇(とう)」とは、初夏に渡来する野鳥「ほととぎす」の漢名・異称です。古代中国の蜀の国の王であった「杜宇」が王位を退いたのちに亡くなり、その魂が鳥となって血を吐くほど切なく鳴き続けたという悲劇的な伝説に由来しています。この哀愁漂う故事から、文人たちに好まれる格調高い季語として定着しました。
「ほととぎす」と詠むと和風で軽やかな印象になりますが、音読みの「杜宇(とう)」を用いることで、二音という短さを活かせるだけでなく、漢詩のような重厚感や張り詰めた孤独感を演出できます。鳴き声そのものを直接描写するよりも、鳴き声が響き渡ったあとの深い静けさ、夜明け前の薄明かり、人里離れた山あいの古寺など、少し陰影のある情景と組み合わせると、この季語特有の幽玄な美しさが際立ちます。
・暁(あかつき)/東雲(しののめ) ・雨乞/五月雨(さみだれ) ・古寺(ふるでら)/廃寺(はいじ) ・杉木立(すぎこだち)/深山(みやま) ・嶺(みね)/雲海(うんかい)