扇
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意味・由来

「扇(おうぎ)」は、あおいで風を起こし、夏の暑さをしのぐための道具です。古くは平安時代から、涼をとる実用性だけでなく、儀礼や芸能、贈答の品、さらには詩歌を書き留める雅な道具として重宝されてきました。扇を開閉するときの洗練された所作や、骨のきしむ音、そこに描かれた美しい絵など、日本人の生活と美意識に深く結びついた、情緒豊かな夏の代表的な季語です。

この季語で詠むコツ

単に「あおいで涼しい」という直接的な動作を描写するのではなく、扇を取り巻く周囲の状況や静かな時間経過に焦点を当てるのがコツです。例えば、扇が置かれている畳や机の上の様子、扇の生み出す一瞬の微風、開閉するときの乾いた音、あるいは持ち主の指先や物憂げな表情などを切り取ることで、映像的で深みのある句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 動作:置く、畳む、開く、翳す(かざす)、忘る
  • 場所・物:畳、膝、古机、影、てのひら、畳、袂(たもと)
  • 色彩・風情:白(白扇)、かすかな風、静けさ、夕暮れ、絵の具

「扇」の俳句例 (4件)

涼しさに海へなげこむ扇かな
正岡子規『寒山落木 巻一』(青空文庫)
不二の風や扇にのせて江戶土產
松尾芭蕉『芭蕉俳句全集』(Wikisource)
雲の峰に扇をかざす野中哉
正岡子規『寒山落木 巻一』(青空文庫)
ひら〳〵とあくる扇や雲の峰
松尾芭蕉『芭蕉俳句全集』(Wikisource)

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