の季語

立春から立夏の前日まで。花、鳥、暖かな日差しなど春ならではの季語を紹介します。

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一覧 (1000件)

きじ

雉(きじ)は、古くから多くの俳人に愛されてきた季語です。この季語が持つ背景や歴史的文脈を理解することで、より深みのある俳句を詠むことができます。情景をありのままに写生したり、自分の感情を重ね合わせたりと、様々な表現方法が存在します。

うめ

梅(うめ)は、古くから多くの俳人に愛されてきた季語です。この季語が持つ背景や歴史的文脈を理解することで、より深みのある俳句を詠むことができます。情景をありのままに写生したり、自分の感情を重ね合わせたりと、様々な表現方法が存在します。

三春

かえる

意味・由来 「蛙(かえる)」は春の季語で、冬眠から目覚めて活動を始める蛙たちの様子を指します。古くは『万葉集』や『古今和歌集』の時代から「かわず」として和歌に好んで詠まれてきました。現代でも田んぼや水辺で鳴く声、コミカルに跳びはねる姿、水に飛び込む音など、五感を通して春の訪れと生命の息吹を感じさせる、非常に親しみ深く人気のある季語です。 この季語で詠むコツ 蛙を詠む際は、単に「鳴いている」という事実を描写するだけでなく、「どのような声か」「どのような動きか」を具体的に描写することがポイントです。また、蛙の姿を人間のように見立てる「擬人化」も効果的です。のどかな春の昼下がり、あるいは少し寂しげな春の夜など、時間帯や周囲の風景と蛙の対比を意識すると、より深みのある句になります。 相性のいい言葉・取り合わせ 水辺・場所:田んぼ、古池、泥、小川、夕闇、山里 様子・動作:静か、のどか、跳ぶ、眠る、競う 気象:春雨、夕暮れ、月夜、風

車組む

くるまくむ

初蛙・昼蛙・夕蛙・夜蛙・遠蛙・蛙合戦・殿様蛙・赤蛙・土蛙・苗代蛙・田蛙

かわず

春の田んぼに水が張られるころ、どこからともなく聞こえてくる蛙の声。冬眠から目覚めた蛙たちは雌を呼ぶために鳴き続け、その声は昼も夜も絶えない。のどかでありながら、どこかせつない春の音です。 「かわず」はもともと、清流に棲むカジカガエルのことを指す言葉でした。その澄んだ鳴き声は万葉集の時代から歌人に愛され、「水に住む蛙の声を聞けば」と古今和歌集の仮名序にも記されるほど、日本人の感性に深く根づいてきました。平安時代を経るにつれて「かわず」という言葉は一般の蛙全体を指すようになり、そのまま俳句の季語として引き継がれています。 俳句では「かえる」と読ませると夏の季語になることもありますが、「かわず」と詠む場合は三春(旧暦1〜3月)の季語として扱われます。冬眠から覚めて鳴き始める生命力こそが、春の蛙の本質だからです。 松尾芭蕉の「古池や蛙飛込む水のおと」はあまりにも有名ですが、この句が革命的だったのは、古来「鳴くもの」とされてきた蛙を「飛び込む音」で詠んだ点にあります。和歌・連歌の型を破った一句として、1686年(貞享3年)に刊行された『蛙合』で最高位を占めました。

早春

春早し(はるはやし)・春淡し(はるあわし)・春さき

そうしゅん

立春を過ぎたばかりの2月。暦の上では春が始まっているのに、風はまだ冷たく、吐く息も白い。それでも、光の角度がほんの少し変わり、空の色がどこか柔らかくなっている——そんな「春の気配を目で見つける季節」が早春です。早春は、初春(立春から啓蟄の前日まで)に属する時候の季語で、立春(2月上旬)から2月いっぱいごろを指します。体感はまだ冬でも、日差しの中に春の息吹を感じ取る、希望に満ちた短い季節です。よく混同される「春浅し」との違いも知っておくと俳句がより楽しめます。「春浅し」は早春とほぼ同じ時期を指しますが、「まだ春めいていない」という主観的な感覚を表す季語です。一方、「早春」は春の兆しを視覚でとらえる、より客観的な言葉。まだ風の冷たい中でも、春の日の光を浴びている万象にどこか明るい春のしるしが見えてくる、そういった印象を持つ語です。同じ2月の景色でも、詠み手の視点によってどちらを選ぶかが変わってきます。また、漢字で「初春」と書くと「はつはる」と読まれ新年の季語になるため、「早春」はひらがなや読み仮名で「そうしゅん」と明示するのが俳句のルールです。

狂う蝶

くるうちょう

社燕

しゃえん

意味・由来 「社燕(しゃえん)」とは、春の社日(春分に最も近い戊の日)のころに南方から渡ってくるツバメのことです。中国の古い伝承において、燕は春の社日にやってきて、秋の社日に去っていくと信じられていたことに由来します。単に「燕」と詠むよりも、古き良き神社の厳かな雰囲気や、春の農耕の始まりを告げる神聖な響きを帯びるのが特徴です。 ### この季語で詠むコツ 単に鳥としてのツバメの素早い動きを写生するだけでなく、神社の境内や鳥居、拝殿といった神聖な場所が醸し出す「静寂」や「時間の流れ」と取り合わせるのがコツです。古い木々、瓦屋根、玉砂利など、社ならではの落ち着いた色彩や質感と、社燕の瑞々しく軽快な飛翔のコントラストを意識してみましょう。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ 拝殿、参道(神路)、鳥居、玉砂利、大杉、風、影、春雨、ひねもす(終日)、朱(あか)など。

杉菜

土筆,接続草,継ぎ松

すぎな

杉菜(すぎな)は、晩春の季語で、植物に分類されます。土筆(つくし)が枯れた後、地下茎から伸びる緑色の栄養茎を指します。その姿が小さな杉の木に似ていることから、この名がつきました。土筆が胞子茎であるのに対し、杉菜は栄養茎にあたり、土筆が野原から姿を消す頃に青々と生え揃います。繁殖力が強く、野原や道端に群生する身近な春の植物です。

狂い凧

くるいだこ

血貝

ちがい

意味・由来 「血貝(ちがい)」とは、春の海辺で採れる「赤貝(あかがい)」やその近縁種の別名です。貝殻を開けると、人間の血液と同じようにヘモグロビンを含む赤い体液が滴ることからこの名が付けられました。その鮮烈な赤さは、春の豊かな海の恵みと生命力の象徴であり、古くから潮干狩りの収穫物として、また春の味覚として親しまれてきました。視覚的に非常にインパクトのある季語です。 この季語で詠むコツ 「血貝」が持つ生々しい「赤さ」や「命の滴り」をどのように表現するかがポイントです。単にグロテスクに描くのではなく、春のうららかな陽気、白い砂浜、澄んだ潮風といった美しい背景と対比させることで、その赤さが一際引き立ちます。また、貝を掘る、剥くといった人間の動作(手元や刃先のクローズアップ)と取り合わせることで、生活感や臨場感あふれる句に仕上がります。 相性のいい言葉・取り合わせ 色彩を強調する言葉: 赤、白砂、潮、刃先、指、手のひら 海や季節を感じさせる言葉: 春の海、干潟、潮干狩、汐、波頭 生命感や動きを表す言葉: むく、滴る、こぼるる、掘る、洗う

巣立鳥

すだちどり

意味・由来 「巣立鳥(すだちどり)」とは、春に生まれた鳥の雛が十分に成長し、初めて自らの翼で巣から飛び立つ様子、あるいはその鳥自身を指す季語です。主に晩春の時期に用いられます。親鳥の温かい庇護から離れ、自立して大空へと羽ばたく姿は、健気でありながらも力強い生命の輝きを感じさせます。 この季語で詠むコツ 単に「鳥が飛んだ」という客観的な事実だけでなく、巣立つ直前の緊迫感や、巣の縁で細かく羽を震わせてためらう様子、あるいは飛び去った後に残された静かな「古巣」の佇まいなど、時間の前後に焦点を当てると深みが増します。人間の子供の自立や旅立ちの姿を投影させながらも、まずは鳥の微細な動作や鳴き声を写生することを意識するとよいでしょう。 相性のいい言葉・取り合わせ 空間・自然:「梢(こずえ)」「大空」「若葉」「朝光(あさかげ)」 動作・心情:「ためらう」「風にのる」「こぼるる」「うながす」 音や視覚:「羽音」「ひとこえ」「またたく」

落雲雀

おちひばり

意味・由来 「落雲雀(おちひばり)」は、春の暖かな日差しの中で天高く舞い上がり(揚げ雲雀)、美しい声でさえずっていた雲雀が、急に歌をやめて地上へと弾丸のように真っ逆さまに急降下してくる様子、またはその雲雀のことを指します。華やかな春の空の主役が一転して、急激な速度で地上の草むらへと消えていくその姿は、劇的な静と動の対比を見せてくれます。 この季語で詠むコツ 落雲雀を詠む際は、空から地上へというダイナミックな「縦の動き」と、賑やかなさえずりから一瞬にして訪れる「静寂」のギャップを捉えることが重要です。ただ落ちる様子だけでなく、見失ってしまった後の草むらの静けさや、着地した瞬間の生命の重みに焦点を当てると、詩情が深まります。 相性のいい言葉・取り合わせ 地上の情景:麦の芽、草むら、泥、土、畦道 変化を表す言葉:消える、黙る、風になる、吸い込まれる、不意に 空や天候:春の空、薄曇り、日差し、陽炎

開帳

かいちょう

意味・由来 「開帳(かいちょう)」は、普段は固く扉が閉ざされている寺院の秘仏や本尊を、特定の期間だけ特別に公開して人々が参拝できるようにする仏教行事です。特に春に多く行われることから、春の季語となっています。江戸時代には、特定の寺院での「居開帳」だけでなく、他所へ仏像を出張させて公開する「出開帳」が盛んになり、現代の博覧会やイベントのような一大レジャーとして大変な賑わいを見せました。春のうららかな陽気と相まって、人々が浮き立つような明るさと、信仰の厳かさが同居する季語です。 この季語で詠むコツ 開帳を詠む際は、お堂の中の厳かな雰囲気と、お堂の外の春爛漫な景色との「対比」を意識すると効果的です。また、久方ぶりに姿を現した仏様の尊顔やその歴史を感じさせる様子をクローズアップして描くか、あるいは開帳に集まる群衆の活気や、道中ののどかな風景といった「周囲の様子」を描くかによって、句の個性が分かれます。五感(線香の香り、暗いお堂と外の光の明暗など)を刺激する表現を取り入れるのもおすすめです。 相性のいい言葉・取り合わせ 堂内の様子・五感:「煤(すす)」「金泥(こんでい)」「線香の煙」「うす暗き」 参拝の様子:「人波」「賽銭」「数珠(じゅず)」「親子連れ」 春の光景:「春風」「うららか」「桜」「青空」

西翁忌

さいおうき

意味・由来 「西翁忌(さいおうき)」は、平安時代末期の歌人であり僧侶でもあった西行(さいぎょう)法師の忌日(陰暦2月15日、新暦では3月末頃)を指す春の季語です。西行は「願はくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望月のころ」という有名な歌を残し、その言葉通りに釈迦の入滅の日である2月15日の翌日(2月16日)に遷化しました。このため、2月15日を西行の忌日とし、親しみを込めて「西翁(さいおう)忌」や「西行忌(さいぎょうき)」と呼び、その風雅な生涯を偲びます。 この季語で詠むコツ 西翁忌を詠む際は、西行が終生愛した「桜(花)」や「月」、そして「旅」や「漂泊」といったモチーフを取り合わせるのが王道です。うららかな春の情景の中に、どこか世捨て人のような静寂さや、人生の無常観、哀愁を漂わせることで、忌日俳句としての深みが増します。現代の生活に引き寄せる場合も、旅情や静かな内省の時間と結びつけると詠みやすくなります。 相性のいい言葉・取り合わせ 花、山桜、落花、花曇り 望月、春の月、おぼろ月 旅衣、杖、草枕、遍路 風の音、水音、庵、静けさ

花を惜しむ

はなをおしむ

意味・由来 「花を惜しむ(はなをおしむ)」は、春の象徴である桜(花)が散りゆくのを惜しみ、その名残を慈しむ気持ちを表す晩春の季語です。ただ単に桜の美しさを愛でるだけでなく、まもなく過ぎ去ろうとする春そのものへの哀愁や、時の移ろいへの切なさが込められています。日本人が古来より抱いてきた、もののあわれの美意識が凝縮された言葉です。 この季語で詠むコツ 散りゆく桜の具体的な情景(風に舞う花びら、水面に浮かぶ花筏、地面を埋める花茣蓙など)を描写しながら、自らの感情をそこに重ね合わせるのがコツです。「惜しい」という直接的な感情を説明するのではなく、散り際のディテールや、静かに過ぎていく時間の一瞬を切り取ることで、より深い余韻のある句になります。 相性のいい言葉・取り合わせ 時間や光を表す言葉:「夕暮れ」「夜半」「ともしび」「影」 静けさや動作を表す言葉:「こぼるる」「たたずむ」「畳」「静か」 感情を補幅する言葉:「なごり」「いのち」「ひそかに」

春の土手

はるのどて

意味・由来 「春の土手」は、春の暖かな日差しのもと、草木が青々と萌え始める川や池の土手の風景を指す季語です。土手は日当たりがよく、つくしやタンポポ、菫などの野草が一斉に咲き揃う場所でもあります。厳しい冬が明け、日向ぼっこや散歩を楽しむ人々の姿が見られるようになり、春の訪れと生命の息吹を象徴する温かみ溢れる言葉です。 この季語で詠むコツ 「春の土手」を上手く詠むには、五感を生かした具体的な写生を意識することが大切です。草の柔らかい感触や土の匂い、肌を撫でる春風の心地よさ、遠くに見える川面の光など、空間の広がりや体感を写し取りましょう。「歩む」「寝転ぶ」といった人間の動きと組み合わせることで、春特有の開放感やのどかな時間を効果的に描くことができます。 相性のいい言葉・取り合わせ ・動作や体感:歩む、寝転ぶ、風、光、眩し、かげ ・景色の要素:青草、つくし、川波、青空、遠山、自転車 ・情調を表す言葉:のどか、うららか、のんびり

棕梠の聖日

しゅろのせいじつ

意味・由来 「棕梠の聖日(しゅろのせいじつ)」は、キリスト教の典礼暦における「枝の主日(パーム・サンデー)」を指す仲春の季語です。復活祭(イースター)の一週間前の日曜日にあたり、イエス・キリストが十字架にかけられる直前、ロバに乗って聖都エルサレムに入城した際、群衆が棕櫚(実際にはナツメヤシ)の枝を手に持って歓呼して迎えたという聖書の記述に由来します。日本の教会ではナツメヤシの代わりに「棕櫚」の葉が用いられ、十字架に編まれた葉が信徒に配られます。これから始まる「受難週」への厳かな心の準備の日でもあります。 この季語で詠むコツ この季語は、春の暖かな光の中に漂う「静寂」や「聖性」を表現するのに適しています。キリスト教の儀式そのものを客観的に叙写するだけでなく、春の光や風といった自然の息吹、あるいは十字架に編まれた棕櫚の緑の瑞々しさなどに焦点を当てると、説得力のある句になります。また、聖堂のオルガンの音、人々の祈りの表情など、聴覚や触覚に訴えかける描写を取り入れるのも効果的です。 相性のいい言葉・取り合わせ 光や色彩を表す言葉(「陽のひかり」「青空」「淡き緑」「白き」など) 教会や礼拝を想起させる名詞(「聖歌」「オルガン」「礼拝堂」「鐘の音」「十字架」など) 植物や自然の風景(「オリーブ」「風の音」「春の海」など)

白ぐわゐ

しろぐわい

意味・由来 「白ぐわゐ(しろぐわい)」は、カヤツリグサ科の「シナクログワイ」という植物の塊茎(地下茎が肥大したもの)を指す春の季語です。お正月料理などで見かけるお馴染みの「クワイ(オモダカ科)」とは異なる植物で、中華料理の炒め物などでよく使われるシャキシャキとした独特の食感が特徴です。泥のついた外皮を剥くと、中から驚くほど透き通るような真っ白な実が現れることから「白慈姑」の名があります。春先の食膳に新鮮な清涼感をもたらす食材として親しまれてきました。 この季語で詠むコツ 白慈姑を詠む際は、その「圧倒的な白さ」と「硬質な触感」、そして「調理する際の手元」に注目するのがコツです。茶色い皮を剥くことで現れる鮮烈な白のコントラストや、包丁を入れたときの小気味よい手応え、水にさらしたときの冷たさなど、五感(視覚・触覚・聴覚)を働かせた写生を意識すると、生活感と美しさが同居した瑞々しい句が生まれます。 相性のいい言葉・取り合わせ 動作・感覚の言葉: 剥く(むく)、刻む、洗う、削る、こぼる、冷たし、固し 台所・水回りの言葉: 厨(くりや)、まな板、包丁、水、洗ひ桶、刃先 光や色彩の言葉: 白、澄む、ひかり、影、薄日

逃水

にげみず

意味・由来 逃水(にげみず)は、春の暖かく晴れた日に、風がなく穏やかな屋外で、前方のアスファルトや地面に水がたまっているように見える現象です。近づくと前方へ逃げるように消えてしまうことからこの名がつきました。科学的には光の屈折による蜃気楼の一種ですが、古くは武蔵野の広大な原野で見られる風物詩として知られ、和歌や俳諧の時代から「春の季語」として親しまれてきました。 この季語で詠むコツ 逃水は「実体がないのにそこに見える」という幻想的な性質を持っています。そのため、目の前の現実の風景を描写しつつも、どこか寂しさや焦燥感、浮遊感を漂わせる句が生まれやすいです。車を運転しているときや、どこまでも続く一本道を歩いているときの「目的地にたどり着けない感覚」や「距離感」を、自身の心情に重ねて表現してみると良いでしょう。 相性のいい言葉・取り合わせ ・道や移動を表す言葉(アスファルト、自転車、国道、歩行、果て) ・視覚や感覚を揺さぶる言葉(まぼろし、揺れる、乾く、消え去る、淡い)

鳥の巣立

とりのすだち

意味・由来 「鳥の巣立(とりのすだち)」は、春に孵化した鳥の雛が成長し、親鳥の保護から自立して巣から飛び立つ様子を指す晩春の季語です。厳しい冬を越えて新しく生まれた命が、大空へと最初の一歩を踏み出す生命の輝きや、親元を離れる一瞬の躊躇、そして未来への希望を内包した非常にドラマチックな季語です。 ### この季語で詠むコツ 雛鳥の小さくおぼつかない羽ばたきや、梢にとどまる一瞬の仕草など、微細な動作を具体的に捉えることが大切です。巣立ちの瞬間は別れの寂しさも含みますが、春の光や風など明るい自然の背景と取り合わせることで、生命の力強さや瑞々しさをより引き立てることができます。人間の「旅立ち」を象徴的に重ね合わせるのも効果的です。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ 青空、南風、朝光、梢、おぼつかなし、羽ばたく、一歩、庭の静けさ

宗易忌

そうえきき

意味・由来 「宗易忌(そうえきき)」は、安土桃山時代の茶聖・千利休(道号:宗易)の忌日を指す春の季語です。天正19年(1591年)2月28日、豊臣秀吉の命により切腹した利休を偲び、現在でも陰暦の2月28日、あるいは新暦の3月28日や4月28日などに、表千家・裏千家をはじめとする各流派で追善の茶会(利休忌)が営まれます。わび茶の精神を大成させた偉人への深い敬意と追慕が、この季語の背景にあります。 この季語で詠むコツ 茶道の精神である「わび・さび」を意識し、静寂や簡素な美、あるいは張り詰めた空気感を表現するのがコツです。きらびやかな春の情景とは一線を画し、茶室の中に漂う凛とした気配や、春雨、朧月といった少し陰りのある春の気候と重ね合わせることで、宗易忌ならではの深い精神性を表現することができます。 相性のいい言葉・取り合わせ 茶道具(茶筅、茶杓、釜、建水、楽茶碗など)や、茶席を彩る「椿」「一輪の花」、また「春雨」「薄曇り」「畳」「炭の香」といった、静けさや質素さを想起させる言葉と非常によく調和します。

合オーバー

あいおーばー

近き夏

ちかきなつ

意味・由来\n「近き夏(ちかきなつ)」は、春の終わりである晩春に分類される季語です。暦の上ではまもなく立夏を迎えるという時期に、日増しに強くなる陽射しや、青葉を吹き抜ける風のなかに、確かな夏の気配を感じ取る心の動きを表しています。単に「もうすぐ夏だ」という時間の経過だけでなく、生命力に満ちた季節の到来を心待ちにする、どこか弾むような気持ちや、季節の移り変わりに対する繊細なアンテナが込められた季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\nまだ春の優しさが残るなかに、ふと見つかる「夏らしさ」の兆しを切り取るのがコツです。例えば、急にまぶしく感じられた木漏れ日、衣替えの準備、あるいは冷たい飲み物が欲しくなる瞬間など、日常のなかの小さな変化に「近き夏」を対比させてみましょう。主観的な期待感をあまり説明的にせず、具体的なモノや風景に託すことで、読者にも「あぁ、もうすぐ夏が来るのだな」という予感を共有することができます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n生命の息吹や光、風を感じさせる言葉と好相性です。「青葉」「風の音」「朝の光」「白いシャツ」「麦畑」など、視覚や触覚を刺激する言葉と取り合わせることで、近き夏のまばゆさや清々しさが引き立ちます。

土筆摘

つくしつみ

意味・由来 「土筆摘(つくしつみ)」は、春の野山に顔を出す土筆(つくし)を摘み集める様子を指す、春の季語です。土筆はスギナの胞子茎であり、ツンツンと地面から顔を出す姿は春の訪れを告げる代表的な風物詩です。古来、人々は春になると野山へ出て、土筆を摘み、袴を取ってお浸しや佃煮にして食してきました。これは単なる食材集めにとどまらず、厳しい冬を越えて巡ってきた春の光を体いっぱいに浴びる、のどかで楽しいレクリエーションでもありました。そのため、どこか温かく微笑ましい、平和な春の一日を象徴する季語となっています。 この季語で詠むコツ 土筆を摘むときは、自然と地面にかがみ込み、視線が足元の小さな世界に集中します。そのため、ただ「土筆を摘んだ」と報告するだけでなく、かがんでいる時の背中の温かさ、土や風の匂い、あるいはふと顔を上げた瞬間に広がる大きな空や遠くの景色など、「ミクロからマクロへの視線の変化」や「五感の動き」を意識して詠むと、臨場感あふれる句になります。 相性のいい言葉・取り合わせ 天候や光: 「うららか」「日和(ひより)」「春風」「日差し」 体の一部・動作: 「背中(せなか)」「かがむ」「指先」「手のひら」 場所: 「土手」「堤(つつみ)」「野原」「日だまり」

大蜆

おおしじみ

意味・由来 大蜆(おおしじみ)は、春に殻が大きくなり、身がふっくらと肥えたシジミを指す春の季語です。シジミ自体は通年手に入りますが、春のシジミは「寒シジミ」に対して「春シジミ」とも呼ばれ、産卵期を前にして最も旨味が乗り、殻も大きく成長します。特に琵琶湖などで獲れる瀬田蜆(せたしじみ)などはその代表例です。古くから庶民の栄養源として親しまれ、春の訪れとともに食卓を豊かに彩る食材として親しまれてきました。 ### この季語で詠むコツ 大蜆を詠む際は、その「大きさ」や「力強さ」に注目することがポイントです。通常の小さなシジミとは異なり、大蜆にはしっかりとした存在感があります。水の中で砂や泥を吐く様子、殻と殻が触れ合う音、調理する際の湯気や匂いなど、五感を刺激する具体的な描写を心がけると、春の生命力や生活感が生き生きと表現できます。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ 【水・容器】盥(たらい)、バケツ、深皿、朝の水 【動作・状態】砂吐く、泥を吐く、洗ふ、音、夜更け

迎春花

げいしゅんか

意味・由来 「迎春花(げいしゅんか)」は、モクセイ科の落葉低木である「黄梅(おうばい)」の漢名であり、別名です。早春のまだ寒さが残る時期に、葉が芽吹くよりも先に鮮やかな黄色い花を咲かせます。中国原産で、旧暦の正月(新春)の頃に咲き始めることから、文字通り「春を迎える花」としてこの名がつけられました。冬の寒さに耐え、いち早く春の訪れを告げる、縁起の良い花として親しまれています。 この季語で詠むコツ 黄色く可憐な花が、まだ寒々しい早春の景色の中でパッと明るく灯るような、色彩の対比を意識すると効果的です。また、「迎春」というおめでたい響きがありつつも、実際には早春の冷たい空気の中に咲く花であるため、華やかさの中にある凛とした寒さや寂しさを引き立てるような詠み方も魅力的です。視覚的な鮮やかさと、初春の冷気との対比を意識してみましょう。 相性のいい言葉・取り合わせ 「光」「風」「朝陽」などの自然の明るさを表す言葉や、「いまだ寒き」「冷たき」といった寒さを残す言葉とよく調和します。また、早春のあわただしい生活や、新しい季節への期待感を表す言葉とも相性が良いです。

苗代道

なわしろみち

意味・由来\n「苗代道(なわしろみち)」とは、春に米の種をまいて苗を育てる「苗代(なわしろ)」を作る時期に、その苗代へ通うために田んぼの間に設けられる細いあぜ道や野道のことです。春の農作業が本格化し、人々が忙しく行き交うようになる季節の象徴です。冬の間は静まり返っていた田園が、水が引かれ、土が耕されることで一気に活気づく様子を内包した、温かみと生命感に満ちた季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n苗代道は、単なる道としての風景だけでなく、そこに暮らす人々の営みや息遣いを感じさせることが大切です。ぬかるむ泥の感触、踏み固められた土の硬さ、かすかに芽吹く草の緑など、五感(触覚や視覚)を意識して描写すると、現場の臨場感が引き立ちます。また、春特有の柔らかい光や、夕暮れののんびりとした時間経過を取り入れるのも効果的です。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 動きや状態を表す言葉:「通う」「ぬかるむ」「急ぐ」「暮れ泥む」「乾く」\n- 視覚・色彩の言葉:「薄緑」「水鏡」「春の泥」「人影」「野の草」\n- 五感に訴える言葉:「風の音」「土の香」「ひばりの声」「あたたかき」

初蛙

はつかわず

意味・由来\n「初蛙(はつかわず)」とは、春になってその年初めて聞く蛙の鳴き声、あるいはその蛙自身を指す季語です。冬の間、地中で眠っていた蛙が目覚め、春の暖かさを感じて鳴き始める瞬間を捉えています。古来、蛙の声は春の訪れを告げる喜びの象徴であり、おずおずと、しかし確かに響く最初のひと声には、冬を越した生命の息吹と感動が込められています。\n\n### この季語で詠むコツ\n初蛙を詠む際は、まだ本格的な春になりきらない、かすかな寒さや静けさを意識するのがポイントです。夏の大合唱とは異なり、ぽつり、ぽつりと遠慮がちに鳴く「最初の声」に焦点を当てましょう。耳を澄まさなければ聞き逃してしまうような静寂や、夕暮れ時の張り詰めた空気感などを描写することで、初蛙の瑞々しさが引き立ちます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n初蛙は、夕暮れ時や水辺の静けさの中で聞かれることが多いため、以下のような言葉と相性が良いです。\n・時間や光を表す言葉:「夕闇」「夕月」「薄暮」「ともしび」\n・水に関する言葉:「水温む」「池の面」「細流(せせらぎ)」「雨」\n・静けさや心の動きを表す言葉:「ひそかに」「おづおづと」「耳すます」

花の塵

はなのちり

意味・由来 「花の塵(はなのちり)」は、晩春の季語です。美しく咲き誇った桜の花が散り、地面や水面、あるいは建物の隅などに、まるで塵(ちり)のように積もっている様子を指します。また、風に吹かれて塵のように激しく舞う散り際の花びらそのものを表すこともあります。咲いている時の華やかさとは対照的に、散った後の哀愁や無常観、しかしどこか美しさを残す余韻を捉えた、非常に日本的な美意識に基づく季語です。 この季語で詠むコツ 「花の塵」を詠む際は、ただの「汚いゴミ」として扱うのではなく、かつて美しく咲いていた桜の面影(余韻)をどのように表現するかがポイントです。掃除をする日常の仕草、風に吹き寄せられる様子、光の当たり方などを具体的に描写することで、寂しさの中にある詩情や、生から死への移ろいといった無常観を表現することができます。 相性のいい言葉・取り合わせ 散り際やその後の様子を描くため、静かで少し寂しげな言葉とよく合います。「夕暮れ」「掃く」「水たまり」「風」「お堂」「石畳」など、時間経過や場所を示す言葉との相性が抜群です。また、日常の生活感をあえてぶつけることで、対比の美しさを引き出すこともできます。

青麦

あおむぎ

蘆の芽

あしのめ

春きざす

はるきざす

意味・由来 「春きざす(春兆す)」は、暦の上ではまだ冬でありながら、日差しの明るさや風の感触、大地の様子などに、ふと春の訪れの兆候が感じられる様子を表す季語です。厳しい寒さのなかにあって、自然界の微細な変化に敏感に気づく日本人の繊細な美意識から生まれました。目には見えない季節の足音を、心と体で受け止める喜びが込められています。 この季語で詠むコツ まだ周囲は冬枯れの景色であるため、大きな変化ではなく「かすかな兆し」に焦点を当てるのがコツです。日差しが少し柔らかくなったこと、風のなかにほんの少し湿り気が混ざったこと、あるいは庭の土が少し緩んだことなど、五感を研ぎ澄まして捉えた具体的なディテールを描写すると、季語の持つ繊細さが引き立ちます。 相性のいい言葉・取り合わせ 光や水、風といった自然の要素と非常に相性が良いです。また、「水温む」前の冷たい水や、寒さの残る「影」「土」など、冬のなごりを感じさせる言葉と取り合わせることで、冬から春へと移り変わる瞬間のドラマを表現しやすくなります。日常のささやかな変化を表す「窓」「道」「音」などもおすすめです。

春の朝

はるのあさ

意味・由来 「春の朝(はるのあさ)」は、春の季節の朝を指す季語です。冬の厳しい寒さが和らぎ、柔らかくうららかな光が差し込む朝の独特の空気感を表しています。単に時間帯を示すだけでなく、新しい一日の始まりとともに、草木や生き物が目覚めるような生命力や、どこかのどかで心地よい温かみを感じさせる言葉です。 この季語で詠むコツ 春の朝ならではの「光の柔らかさ」や「空気の緩み」を五感で捉えて表現するのがコツです。「暖かい」と直接書くのではなく、肌に触れる風の優しさ、朝の光に照らされたものの色合い、鳥のさえずりなどを描写することで、間接的に春の気配を伝えることができます。また、日常の何気ない朝の動作を取り入れると、生活感のある親しみやすい句になります。 相性のいい言葉・取り合わせ 光や色彩を表す言葉(「うららか」「白き」「萌黄色」「きらきら」など) 朝の具体的な動作(「水を汲む」「窓を開ける」「パンを焼く」など) 春を象徴する自然や生き物(「雀」「東風」「霞」「水」など)

赤魚

あかうお

ひかり蝦

ひかりえび

意味・由来 「ひかり蝦(ひかりえび)」は、春の海や水辺で青白く発光する微小な甲殻類(ウミホタルなど)や、春の光を浴びてキラキラと輝く小さなエビの類を指す春の季語です。生命が息吹き始める春の水中において、闇の中にほの白く、あるいは青くまたたく光は、古来より人々を魅了してきました。特に夜の海で群れをなして発光する様子は、幻想的で神秘的な春の風物詩として知られています。 この季語で詠むコツ 「ひかり蝦」を詠む際は、その繊細で儚い「光」を際立たせるための背景設定が重要です。周囲の「闇」や「夜の静けさ」、あるいは「満ちてくる潮」など、静的な情景と組み合わせることで、蝦の放つ微かな光がより鮮明に浮かび上がります。また、網やバケツといった人の営みの道具と組み合わせることで、生活感の中にある一瞬の美しさを切り取ることもできます。 相性のいい言葉・取り合わせ 時間や空間: 夜潮(よじお)、生簀(いけす)、暗がり、春の闇 動き・触覚: こぼるる、満ちる、揺るる、濡れたる 感覚: 静けさ、ほの暗し、冷たし、青き光

姫田螺

ひめたにし

意味・由来 「姫田螺(ひめたにし)」は、淡水に生息する小型のタニシを指す春の季語です。冬の間、田んぼや小川の水底の泥深くに潜んでいた田螺たちは、春になって水が温むと泥から這い出し、静かに活動を始めます。「姫」という名が示す通り、一般的な田螺よりも小ぶりで愛らしい姿をしており、春の訪れとともに目覚める小さな命の象徴として農村や里山で親しまれてきました。 この季語で詠むコツ 姫田螺を詠む際のコツは、その「小ささ」と「水底の微細な動き」に着目することです。春の光が透き通る水面を通して、水底の泥に静かな筋を残しながら動く様子や、じっと陽光を浴びている姿を丁寧に観察してみましょう。広大な春の風景の中に、かすかな命の蠢きというミクロな視点を差し込むことで、春の温もりと静寂をより鮮やかに際立たせることができます。 相性のいい言葉・取り合わせ 水辺の情景を具体的に描写する言葉と相性が抜群です。「水温む」「春の光」「浅水」「水底」「泥」「小川」「濁り」といった水環境を表す言葉を取り入れると、場面が明確になります。また、「這う」「静か」「動く」「光る」などの動詞や形容詞と組み合わせることで、姫田螺の持つ独特の質感や風情を効果的に引き出すことができます。

焼原

やきはら

意味・由来 「焼原(やきはら)」とは、春の初めに野山の枯れ草を焼き払う「野焼(のやき)」を行ったあとに残る、黒く焦げた原野を指す季語です。冬の間に枯れた雑草を焼くことで、害虫を駆除し、灰を良質な肥料として土に還元し、春の新しい草木の芽吹きを促すという、古くからの農耕・牧畜の知恵に由来しています。荒涼とした黒い大地は、一見すると死の世界のようですが、そのすぐ下には新しい生命がうごめいており、春の強い生命力や再生の予兆を感じさせる情景でもあります。 この季語で詠むコツ 焼原を詠む際には、単に「黒くて荒れている」という視覚的な描写にとどまらず、そこにある「色」や「温度」、「光」のコントラストを意識することがコツです。例えば、焦土の「黒」と、降り注ぐ春の「光」や「青空」、あるいは微かに芽吹き始めた若草の「緑」などを対比させると、画面が鮮明に浮かび上がります。また、まだ残る煙の匂いや、足元から伝わる大地のぬくもりといった五感を生かしたアプローチも効果的です。 相性のいい言葉・取り合わせ ・色彩を強調する言葉:青空、日の光、若緑、白煙、陽炎 ・感触や温度を表す言葉:温し、風、足跡、匂う、かすか ・時間の経過や変化を表す言葉:夕日、暮るる、雨、明日

山蚕

やまがいこ

意味・由来 「山蚕(やまがいこ、またはやまこ)」は、野生のヤママユガ(山繭蛾)の幼虫を指す春の季語です。人間に飼育されて純白の絹糸を出す「家蚕(かさん)」に対し、山野のクヌギやコナラなどの葉を食べて育つためこの名があります。天蚕(てんさん)とも呼ばれ、その体は新緑の葉に溶け込むような鮮やかな緑色をしています。家蚕よりも野性味があり、大自然の生命力や、深山幽谷の神秘性を象徴する存在として古くから俳句に詠まれてきました。 この季語で詠むコツ 山蚕を詠む際は、その鮮烈な「緑色」や、野生ならではの「たくましい生命力」に注目すると良いでしょう。また、彼らが好むクヌギなどの瑞々しい若葉、山を濡らす春の雨、山間の一軒家の静寂など、山蚕を取り巻く環境を具体的に描写することで、独特のしっとりとした情緒や立体感が生まれます。 相性のいい言葉・取り合わせ 色彩・質感を表す言葉: 「青(あお)」「若緑(わかみどり)」「光る」「這う」 自然・天候: 「櫟(くぬぎ)の葉」「春雨(はるさめ)」「木漏れ日」「山の静けさ」 生活の道具: 「文机(ふづくえ)」「窓」「籠(かご)」

雪垣解く

ゆきがきとく

意味・由来 「雪垣解く(ゆきがきとく)」は、冬の間に豪雪や寒風から家屋や庭木を守るために設けられていた「雪垣(雪囲い)」を、春の訪れとともに取り外す作業を指す季語です。主に東北や北陸などの雪国で見られる光景であり、長く厳しい冬がようやく終わり、本格的な春がやってきたことを告げる、喜びと解放感に満ちた生活の節目を表しています。季節の移り変わりを肌で感じられる、動的で明るい春の季語です。 この季語で詠むコツ 雪垣が解かれることで、それまで遮られていた陽光が一気に室内に差し込み、視界がパッと開けます。この「光の劇的な変化」や、垣根を解く際の藁や竹の乾いた匂い、作業する人々の活気ある物音や声などを五感で捉えるのがコツです。冬の「閉ざされた空間」から春の「開かれた世界」への移行劇を意識して描写してみましょう。 相性のいい言葉・取り合わせ 空間や光を表す言葉(日差し、青空、広さ、障子、奥座敷) 音や匂いを表す言葉(槌の音、乾く、藁の香) 動作や感情を表す言葉(弾む、笑う、放つ)

夢見草

ゆめみぐさ

意味・由来 「夢見草(ゆめみぐさ)」とは、日本の春を象徴する花である「桜」の非常に美しく雅な別称(異称)です。満開に咲き誇る桜の姿、あるいは風に揺られてはらはらと舞い散る様子が、まるで美しくも儚い夢を見ているかのような心地にさせることから、このように名付けられました。平安時代の文学などにも見られる情緒豊かな言葉であり、単なる植物としての「桜」を超えた、見る者を陶酔させる幻想的な美しさや、はかなさを象徴する季語として愛されています。 この季語で詠むコツ 「桜」と直接表現する代わりに「夢見草」を用いることで、句全体に古典的で優美な格調と、現実と非現実の境界が曖昧になるような「ゆらぎ」を与えることができます。写実的に目の前の桜を写生するだけでなく、心象風景としての桜や、過ぎ去った日の淡い記憶、あるいは人生の儚さといった、少し主観的でロマンチックなテーマを盛り込む際にこの季語の本領が発揮されます。 相性のいい言葉・取り合わせ 「夢」というニュアンスを引き立てる言葉や、淡く曖昧な情景を表す言葉と非常に相性が良いです。 ・意識や心理に関わる言葉:「まどろみ」「うつつ(現実)」「覚む」「おもかげ」 ・時間や光の視覚表現:「朧(おぼろ)」「月夜」「夜半(よわ)」「薄明」 ・儚さを表現する形容詞・副詞:「あえか(儚く美しい)」「ほのか」「淡し」「かすか」

和布

わかめ

意味・由来 「和布(わかめ)」は、春の海辺の恵みを代表する海藻であり、古くから日本人の暮らしや食生活に深く結びついてきました。万葉集の時代には「にぎめ」とも呼ばれ、春になると若葉が急速に成長して収穫期を迎えます。引き揚げられたばかりの和布は、つややかな褐色(お湯を通すと一瞬で鮮やかな緑色に変わる特徴があります)をしており、豊かで濃厚な磯の香りを放ちます。春の穏やかな海と、そこに生きる人々の営みを象徴する大変歴史の古い季語です。 この季語で詠むコツ 和布を詠む際は、その「みずみずしさ」や「色・香り」といった五感を意識することが大切です。海から引き揚げられて浜辺に干されている様子や、食卓の潮汁や酢の物として並ぶ日常の情景など、どの場面を切り取るかによって句の表情が変わります。伝統的な「和布刈(めかり)」という海辺の労働や神事のダイナミックさを詠むのも魅力的ですが、初心者はまず、身近な食材としての親しみやすさや、春の明るい光の中に置かれた和布の色彩感に注目すると、素直で瑞々しい句が生まれやすくなります。 相性のいい言葉・取り合わせ 色彩や感覚を表す言葉:「青し」「濡るる」「磯の香」「潮風」 生活や食卓の言葉:「汁(しる)」「一椀」「箸(はし)」「干し竿」 景色の広がりを表す言葉:「引潮(ひきしお)」「砂浜」「松の風」「波口」

赤蛺蝶

あかたては

赤椿

あかつばき

合生

あいう

藍植う

あいうう

朝霞

あさがすみ

藍蒔く

あいまく

藍微塵

あいみじん

愛林日

あいりんび

青虻

あおあぶ

青芥

あおがらし

青木の花

あおきのはな

青き踏む

あおきふむ

青茎山葵

あおくきわさび

青倉海苔

あおくらのり

青ぐわゐ

あおぐわい

青慈姑

あおぐわい

石蓴採り

あおさとり

青とさか

あおとさか

青饅

あおぬた

青海苔

あおのり

一切経会

いっさいきょうえ

納め針

おさめばり

青目虻

あおめあぶ

青眼虻

あおめあぶ

青柳

あおやぎ

青柳衣

あおやぎごろも

青山吹

あおやまぶき

わかさぎ

わかさぎ

畦焼く

あぜやく

赤牛虻

あかうしあぶ

赤貝

あかがい

赤蛙

あかがえる

赤茎山葵

あかくきわさび

赤潮

あかしお

赤つ腹

あかっぱら

茜すみれ

あかねすみれ

赤花藤

あかばなふじ

赤鬚

あかひげ

赤彦忌

あかひこき

赤めばる

あかめばる

鳳蝶

あげはちょう

通草咲く

あけびさく

通草の花

あけびのはな

丁翁の花

あけびのはな

木通の花

あけびのはな

山女の花

あけびのはな・やまひめのはな

あけびの芽漬

あけびのめづけ

揚雲雀

あげひばり

曙草

あけぼのぐさ

曙桜

あけぼのざくら

曙躑躅

あけぼのつつじ

朝顔蒔く

あさがおまく

飯蛸

いいだこ

浅黄桜

あさぎざくら

浅黄水仙

あさぎすいせん

浅き春

あさきはる

浅黄斑蝶

あさぎまだら

浅草海苔

あさくさのり

朝東風

あさごち

朝桜

あさざくら

朝鷹

あさたか

朝鷹狩

あさたかがり

浅茅が花

あさぢがはな

胡葱

あさつき

胡葱膾

あさつきなます

朝燕

あさつばめ

朝鳥狩

あさとがり

朝寝

あさね

朝雲雀

あさひばり

麻蒔く

あさまく

あさま黄楊の花

あさまつげのはな

あざみ

薊の花

あざみのはな

海豹

あざらし

浅蜊

あさり

浅蜊売

あさりうり

浅蜊汁

あさりじる

浅蜊取

あさりとり

浅蜊舟

あさりぶね

蘆芽

あしかび

紫陽花の芽

あじさいのめ

明日葉

あしたば

足長蜂

あしながばち

蘆の錐

あしのきり

御衣替

おころもがえ

一国巡

いっこくめぐり

蘆の若葉

あしのわかば

あしべ踊

あしべおどり

蘆辺踊

あしべおどり

梓の花

あずさのはな

翌なき春

あすなきはる

東をどり

あずまおどり

東踊

あずまおどり

吾妻菊

あずまぎく

東菊

あずまぎく

東彼岸

あずまひがん

畦青む

あぜあおむ

畦塗

あぜぬり

畦火

あぜひ

馬酔木の花

あせびのはな・あしびのはな

いまわの雁

いまわのかり

暖か

あたたか

仇名草

あだなぐさ

暑き春

あつきはる

後鰊

あとにしん

穴蜂

あなはち

網場

あば

あぶ

油風

あぶらかぜ

油菜

あぶらな

油まぜ

あぶらまぜ

海女

あま

甘だいだい

あまだいだい

甘橙

あまだいだい

甘茶

あまちゃ

甘茶寺

あまちゃでら

甘茶仏

あまちゃぶつ

雨燕

あまつばめ

甘菜

あまな

海女の小屋

あまのこや

海女の笛

あまのふえ

甘海苔

あまのり

編笠百合

あみがさゆり

雨鷽

あめうそ

あめ東風

あめごち

あめ鱒

あめます

渓蓀の芽

あやめのめ

鮎汲

あゆくみ

あゆの風

あゆのかぜ

鮎の子

あゆのこ

紫羅欄花

あらせいとう

有明霞

ありあけがすみ

有明桜

ありあけざくら

蟻穴を出づ

ありあなをいず

蟻穴を出る

ありあなをでる

蟻出づ

ありいず

ありそ貝

ありそがい

粟苺

あわいちご

淡島祭

あわしままつり

粟島祭

あわしままつり

粟津祭

あわづまつり

泡雪

あわゆき

淡雪

あわゆき

あわ雪

あわゆき

安吾忌

あんごき

杏散る

あんずちる

杏の花

あんずのはな

望潮魚

いいだこ

馬蓼

うまたで

家桜

いえざくら

貽貝

いがい

居開帳

いかいちょう

居重ね

いがさね

烏賊鯛

いかだい

筏祭

いかだまつり

玉筋魚

いかなご

鮊子

いかなご

鮊子醬油

いかなごじょうゆ

いかなご舟

いかなごぶね

鮊子干す

いかなごほす

錨草

いかりそう

いかり漁

いかりりょう

活大根

いけだいこん

眠蚕

いこ

石崖蝶

いしがけちょう

石山祭

いしやままつり

衣裳くらべ

いしょうくらべ

衣裳競べ

いしょうくらべ

衣装雛

いしょうびな

蚊母樹の花

いすのきのはな

伊豆海苔

いずのり

出雲若布

いずもわかめ

伊勢講

いせこう

伊勢桜

いせざくら

伊勢参宮

いせさんぐう

伊勢椿

いせつばき

伊勢参

いせまいり

磯遊

いそあそび

磯遊び

いそあそび

磯海女

いそあま

磯桶

いそおけ

磯竈

いそかまど

磯巾著

いそぎんちゃく

磯巾着

いそぎんちゃく

磯桜

いそざくら

磯人

いそど

磯なげき

いそなげき

磯嘆き

いそなげき

磯菜摘

いそなつみ

磯菜摘む

いそなつむ

磯の口明

いそのくちあけ

磯開

いそびらき

磯祭

いそまつり

虎杖

いたどり

板屋貝

いたやがい

半辺蚶

いたやがい

いちいの花

いちいのはな

一位の花

いちいのはな

一花桜

いちげざくら

一花草

いちげそう

苺の花

いちごのはな

無花果の芽

いちじくのめ

一乗寺祭

いちじょうじまつり

一と霞

いちとがすみ

一年生

いちねんせい

一の午

いちのうま

一番茶

いちばんちゃ

一文字蝶

いちもんじちょう

一夜官女

いちやかんじょ

銀杏の花

いちょうのはな

銀杏の芽

いちょうのめ

一輪草

いちりんそう

蘆の角

あしのつの

青柴垣神事

あおふしがきしんじ

一時上﨟

いっときじょうろう・いちじじょうろう

凍返る

いてかえる

冱返る

いてかえる

凍解くる

いてとくる

凍解

いてどけ

井手の蛙

いでのかわず

凍戻る

いてもどる

凍ゆるむ

いてゆるむ

糸繰草

いとくりそう

従兄煮

いとこに

従弟煮

いとこに

糸桜

いとざくら

糸菜

いとな

糸葱

いとねぎ

糸雛

いとびな

糸柳

いとやなぎ

糸遊

いとゆう

いなだ東風

いなだごち

居なり

いなり

稲荷講

いなりこう

稲荷神幸祭

いなりしんこうさい

稲荷のお出

いなりのおいで

稲荷祭

いなりまつり

稲荷祭御出

いなりまつりおいで

犬桜

いぬざくら

犬杉菜

いぬすぎな

犬ふぐり

いぬふぐり

いぬ蕨

いぬわらび

貽の貝

いのかい

いまはの雁

いまわのかり

和蘭芥子

おらんだがらし

芋植う

いもうう

妹がり行く猫

いもがりゆくねこ

芋種

いもたね

藷苗

いもなえ

甘藷苗作る

いもなえつくる

芋の芽

いものめ

芋棒

いもぼう

炒米

いりごめ

入り彼岸

いりひがん

彩卵

いろたまご

岩朧

いわおぼろ

石清水一切経会

いわしみずいっさいきょうえ

石清水臨時祭

いわしみずりんじさい

岩つつじ

いわつつじ

岩躑躅

いわつつじ

岩燕

いわつばめ

岩梨の花

いわなしのはな

岩根草

いわねぐさ

岩海苔

いわのり

植木市

うえきいち

植疱瘡

うえぼうそう

右衛門桜

うえもんざくら

魚島

うおじま

魚島時

うおじまどき

魚氷に上る

うおひにのぼる

浮かれ猫

うかれねこ

うかれ猫

うかれねこ

萍生い初む

うきくさおいそむ

萍生ひ初む

うきくさおいそむ

萍生う

うきくさおう

萍生ふ

うきくさおう

浮氷

うきごおり

浮鯛

うきだい

黄鸝

うぐいす

うぐいす

黄鳥

うぐいす・きちょう

鶯合

うぐいすあわせ

鶯神楽

うぐいすかぐら

鶯衣

うぐいすごろも

鶯菜

うぐいすな

鶯の巣

うぐいすのす

鶯の袖

うぐいすのそで

鶯の谷渡り

うぐいすのたにわたり

鶯の初音

うぐいすのはつね

鶯笛

うぐいすぶえ

鶯餅

うぐいすもち

海髪

うご

五加

うこぎ

五加木

うこぎ

五加垣

うこぎがき

五加茶

うこぎちゃ

五加摘む

うこぎつむ

五加飯

うこぎめし

右近忌

うこんき

宇佐神宮鎮疹祭

うさじんぐうちんえきさい

牛虻

うしあぶ

宇治一切経会

うじいっさいきょうえ

湖招

うしおまねき

牛蛙

うしがえる

雨水

うすい

薄霞

うすがすみ

薄紅梅

うすこうばい

雲珠桜

うすざくら

薄ざくら

うすざくら

渦潮

うずしお

薄葉あをのり

うすはあおのり

薄葉あおのり

うすばあおのり・うすはあおのり

薄氷

うすらい・うすごおり

うそ

鷽鳥

うそどり

鷽の琴

うそのこと

鷽姫

うそひめ

歌よみ鳥

うたよみどり

歌詠鳥

うたよみどり

打鱈

うちだら

団扇作る

うちわつくる

団扇張る

うちわはる

鬱金香

うっこんこう・うこんこう

十六島海苔

うっぷるいのり

独活

うど

土当帰

うど

独活和

うどあえ

独活掘る

うどほる

うなり凧

うなりだこ

海胆

うに

海栗

うに

雲丹

うに

うば貝

うばがい

菟芽木

うはぎ

姥桜

うばざくら

姥彼岸

うばひがん

姥柳

うばやぎ

うべの花

うべのはな

苜蓿

うまごやし・もくしゅく

苜蓿の花

うまごやしのはな

からぼけの花

からぼけのはな

馬の子

うまのこ

馬の仔

うまのこ

馬の子生る

うまのこうまる

午の神事

うまのしんじ

午祭

うままつり

厩出し

うまやだし

海扇

うみおうぎ

海朧

うみおぼろ

海下

うみおり

海索麵

うみそうめん

海蜷

うみにな

海猫渡る

うみねこわたる

海鱒

うみます

梅が香

うめがか

梅ごち

うめごち

梅東風

うめごち

梅暦

うめごよみ

梅つさ月

うめつさづき

梅の主

うめのあるじ

梅の里

うめのさと

梅の宿

うめのやど

梅見

うめみ

梅見茶屋

うめみぢゃや

梅見月

うめみづき

梅屋敷

うめやしき

梅若忌

うめわかき

梅若ごと

うめわかごと

梅若祭

うめわかさい・うめわかまつり

梅若様

うめわかさま

梅若の涙雨

うめわかのなみだあめ

浦佐の堂押

うらさのどうおし

裏紅いちげ

うらべにいちげ

麗か

うららか

うりずん南風

うりずんばえ

漆草

うるしぐさ

漆の芽

うるしのめ

蟒草

うわばみそう

上溝桜

うわみぞざくら

芸香

うんこう

雲仙躑躅

うんぜんつつじ

叡山すみれ

えいざんすみれ

永日

えいじつ

益斎芹

えきさいぜり

恵具

えぐ

女萎

えぐ

えくぼ花

えくぼばな

衛士

えじ

絵だこ

えだこ

絵凧

えだこ

枝の主日

えだのしゅじつ

江戸桜

えどざくら

海老根

えびね

化偸草

えびね

箙の梅

えびらのうめ

絵踏

えぶみ

魞挿す

えりさす

円位忌

えんいき

円光忌

えんこうき

円宗寺最勝会

えんしゅうじさいしょうえ

遠足

えんそく

豌豆の花

えんどうのはな

縁の下の舞

えんのしたのまい

延命菊

えんめいぎく

老桜

おいざくら

御出祭

おいでまつり

老蕨

おいわらび

桜花

おうか・さくらばな

桜花祭

おうかさい

扇蔓

おうぎかずら

扇だこ

おうぎだこ

扇張る

おうぎはる

扇干す

おうぎほす

黄金週間

おうごんしゅうかん

黄色宝

おうごんだから

鶯宿梅

おうしゅくばい

桜桃の花

おうとうのはな

黄梅

おうばい

黄蓮

おうれん

大石忌

おおいしき

大阪場所

おおさかばしょ

大島桜

おおしまざくら

大芹

おおぜり

大田螺

おおたにし

大茶盛

おおちゃもり

大とさか

おおとさか

おほとり貝

おおとりがい

大羽鰯

おおばいわし

大花君子蘭

おおばなくんしらん

大蛤

おおはまぐり

大原祭

おおはらまつり

大干潟

おおひがた

大蒜

おおびる・おおにんにく

大松雪草

おおまつゆきそう

大紫

おおむらさき

大山桜

おおやまざくら

大和神幸祭

おおやまとしんこうさい

大山能

おおやまのう

お蚕

おかいこ

お陰参

おかげまいり

御蔭参

おかげまいり

岡すみれ

おかすみれ

黄心樹

おがたま

黄心樹の花

おがたまのはな

黄心樹木蘭

おがたまもくれん

岡苗代

おかなわしろ

丘焼く

おかやく

をか寄居虫

おかやどかり

お灌仏

おかんぶつ

沖海女

おきあま

小木港祭

おぎこうさい

沖鰆

おきさわら

興津海苔

おきつのり

荻の末黒

おぎのすぐろ

荻の角

おぎのつの

荻の二葉

おぎのふたば

荻の芽

おぎのめ

荻の焼原

おぎのやけはら

荻の若葉

おぎのわかば・おぎのわかば

荻焼原

おぎやけはら

荻若葉

おぎわかば

小草生月

おぐさおいづき

晩菜

おくな

お国忌

おくにき

阿国忌

おくにき

御事納

おことおさめ

江籬

おごのり

御衣井

おころもい

はる

意味〱由来 。春〃づ、元々だっけ億い億い儲いて、万物が生き生きと活動を始める季節を指す三春(初春〱仲春〱晩春)の大季誮です。宦の上では立春(2月4日頃)から立夏(5月6日頃)の前日までを指します。雪解け、暖かな光、新芽の芽吹きなど、生命の喜びと希望に満ちた季節は、古来より数多くの歌や俣句に詠まれてきました。 この季誮で詠むコツ 。春〃という言葉は非常に範囲が広いため、単に「春が来た」と詠むだけでは抽象的になりがちです。五感(暖かはな風の感触、梅や桜の香り、鳥のさえずりのど)を意識し、目の前にある具体的な景色の変化を捉えることが大切です。。春〃という言葉自体が持つ明るさや、どこか物憂げな雰囲気を、自分の感情と重ね合わせてみましょう。 相性のいい言葉〱取り合わせ 動きを表す言葉(「立つ」「来る」「行く」など)や、光や風を表す言葉(「光」「風」「うらら」など)と相性が良いです。また。春の雨」「春の海」のように他の名詞と結びついて一迣きの季誮になることが多く、日常のささやかな変化や、旅立ちの情感などと取り合わせることで、より深い詩情が生まれます。

金平桜

こんぺいざくら

意味・由来 「金平桜(こんぺいざくら)」は、春に咲く八重桜の一種です。江戸時代に一世を風靡した人形浄瑠璃「金平浄瑠璃」の主人公、坂田金平(さかたのきんぴら)に由来します。坂田金平は、あの金太郎こと坂田金時の息子とされ、怪力無双の豪傑として知られています。その名が示す通り、金平桜は非常に肉厚で大きな花弁を持ち、がっしりとした力強い枝ぶりが特徴です。一般的な桜の持つ儚げな美しさとは異なり、野生味あふれるダイナミックな姿が、江戸の人々に「金平」の豪快さを連想させ、この名で親しまれるようになりました。 この季語で詠むコツ 金平桜を詠む際は、桜の「繊細さ」や「薄命さ」を表現するのではなく、むしろ「力強さ」「武骨さ」「生命力の豊かさ」に焦点を当てることが重要です。咲き誇る花のボリューム感、風に負けないたくましい枝、あるいは「金平」というキャラクターが持つ豪傑なイメージを投影することで、この季語が持つ独特の個性を引き出すことができます。あえて荒々しい動的な表現や、少しユーモラスな視点を取り入れると、瑞々しい句に仕上がります。 相性のいい言葉・取り合わせ 力強さや動きを表す言葉: 荒仕事、みなぎる、へし折る、吹きちる、頑丈、太枝 対照的な静寂や武骨な情景: 関所、古寺、岩肌、鎧、夕日、野武士 荒々しさと対比させる静かな言葉: 散る、眠る、おさまる、煙る

押し合ひ祭

おしあいまつり

押合祭

おしあいまつり

押絵雛

おしえびな

遅き春

おそきはる

遅き日

おそきひ

獺の祭

おそのまつり

おそ春

おそはる

お松明

おたいまつ

御松明

おたいまつ

小田かえす

おだかえす

をだまきの花

おだまきのはな

お玉杓子

おたまじゃくし

落ちたこ

おちたこ

落椿

おちつばき

落鰊

おちにしん

お中日

おちゅうにち

御告祭

おつげさい

お告げの祝日

おつげのしゅくじつ

乙鳥

おつどり・つばめ

御灯祭

おとうまつり

牡蒿

おとこよもぎ

落し角

おとしづの

おおとり貝

おととりがい

乙女桜

おとめざくら

乙女鷹

おとめだか

乙女椿

おとめつばき

踊念仏

おどりねんぶつ

尾長あげは

おながあげは

をなが雉

おながきじ

鬼浅蜊

おにあさり

鬼きらん草

おにきらんそう

鬼縛の花

おにしばりのはな

鬼の田芥

おにのたがらし

おに寄居虫

おにやどかり

おに蕨

おにわらび

お涅槃

おねはん

小野小町忌

おののこまちき

薺蒿

おはぎ

婆芹

おばぜり

雄蜂

おばち

お花見

おはなみ

お花見レース

おはなみれーす

お花見レガッタ

おはなみれがった

お彼岸

おひがん

お札流し

おふだながし

覚狩

おぼえがり

おぼろ

朧影

おぼろかげ

朧月夜

おぼろづきよ

朧めく

おぼろめく

朧夜

おぼろよ

お水送り

おみずおくり

お水取

おみずとり

御身拭

おみぬぐい

御室詣

おむろまいり

御目見得

おめみえ

面影草

おもかげぐさ

親雀

おやすずめ

親田

おやだ

親猫

おやねこ

お山参り

おやままいり

阿蘭陀苺の花

おらんだいちごのはな

九輪草

くりんそう

オランダ雉隠し

おらんだきじかくし

オランダ下り

おらんだくだり

オランダ躑躅

おらんだつつじ

オランダ渡り

おらんだわたり

阿蘭陀渡る

おらんだわたる

折雛

おりびな

貝合

かいあわせ

飼鶯

かいうぐいす

貝覆

かいおおい

貝桶

かいおけ

かいこ・こ

海紅

かいこう

蚕時

かいこどき

海市

かいし

艾草

がいそう・もぐさ

開題供養

かいだいくよう

海棠

かいどう

海棠忌

かいどうき

外套脱ぐ

がいとうぬぐ

貝の華

かいのはな

解氷

かいひょう

解氷期

かいひょうき

解氷湖

かいひょうこ

海府海苔

かいふのり

飼屋

かいや

貝寄

かいよせ

貝寄風

かいよせ

街路樹の芽

がいろじゅのめ

花会式

かえしき・はなえしき

楓の花

かえでのはな

楓の芽

かえでのめ

帰り鴫

かえりしぎ

蛙生る

かえるうまる

帰る鴨

かえるかも

帰る雁

かえるかり

蛙子

かえるご・かえるこ

帰る鶴

かえるつる

帰る鳥

かえるとり

蛙の子

かえるのこ・かわずのこ

蛙の目借り時

かえるのめかりどき

容鳥

かおどり

貌鳥

かおどり

貌よ鳥

かおよどり

かがみ草

かがみぐさ

篝火草

かがりびそう

搔ぢしゃ

かきぢしゃ

嗅茶

かぎちゃ

垣繕う

かきつくろう

垣繕ふ

かきつくろう

垣手入れ

かきていれ

垣通

かきどおし

柿の芽

かきのめ

花杏

かきょう

鍵蕨

かぎわらび

学年試験

がくねんしけん

角巻脱ぐ

かくまきぬぐ

鶴林

かくりん

鶴林の夜半

かくりんのよわ

嘉月

かげつ

賭鶏

かけどり

陰雪

かげゆき

野馬

かげろう・やば

陽炎燃ゆる

かげろうもゆる

葛西海苔

かさいのり

風垣解く

かざがきとく

風囲解く

かざがこいとく

風車

かざぐるま

風車売

かざぐるまうり

鵲の巣

かささぎのす

かざし草

かざしぐさ

傘止太夫

かさどめたゆう

重ね正月

かさねしょうがつ

蝤蛑

がざみ

香散見草

かざみぐさ

風見草

かざみそう

風除解く

かざよけとく

樫の花

かしのはな

橿原祭

かしはらまつり

鹿島祭頭祭

かしまさいとうさい

搗布

かじめ

搗布刈る

かじめかる

搗布舟

かじめぶね

搗布干す

かじめほす

果樹植う

かじゅうう

鵝掌草

がしょうそう

数の子草

かずのこぐさ

数の子製す

かずのこせいす

数の子作る

かずのこつくる

数の子抜く

かずのこぬく

数の子干す

かずのこほす

かずの花

かずのはな

かすみ

霞隠れ

かすみがくれ

霞敷く

かすみしく

霞草

かすみそう

霞宝

かすみだから

霞立つ

かすみたつ

霞棚引く

かすみたなびく

霞流る

かすみながる

霞の網

かすみのあみ

霞の海

かすみのうみ

霞の沖

かすみのおき

霞の奥

かすみのおく

霞の帯

かすみのおび

霞の衣

かすみのころも

霞の里

かすみのさと

霞の底

かすみのそこ

霞の袖

かすみのそで

霞の空

かすみのそら

霞の棚

かすみのたな

霞の谷

かすみのたに

霞の袂

かすみのたもと

霞の波

かすみのなみ

霞の浪

かすみのなみ

霞の麓

かすみのふもと

霞の洞

かすみのほら

霞の籬

かすみのまがき

霞の山

かすみのやま

霞渡る

かすみわたる

風雪崩

かぜなだれ

風の花

かぜのはな

風光る

かぜひかる

風待草

かぜまちぐさ

風やわらか

かぜやわらか

かせん

かせん

歌仙桜

かせんざくら

かぞの花

かぞのはな

かたかごの花

かたかごのはな

片栗の花

かたくりのはな

堅雪

かたゆき

陸人

かちど

勝鶏

かちどり

かつみの芽

かつみのめ

鬘草

かつらぐさ

花亭

かてい

かてん草

かてんそう

蝌蚪

かと・かえるこ

門桜

かどざくら

蝌蚪の紐

かとのひも

蝌蚪の水

かとのみず

門柳

かどやなぎ

鉄引草

かなびきそう

鐘朧

かねおぼろ

鐘霞む

かねかすむ

鐘供養

かねくよう

かの子忌

かのこき

鹿子草

かのこそう

纈草

かのこそう

河貝子

かばいし

香栄草

かばえぐさ

樺ざくら

かばざくら

樺桜

かばざくら

樺の花

かばのはな

樺海苔

かばのり

画眉鳥

がびちょう

荷風忌

かふうき

株分

かぶわけ

南瓜植う

かぼちゃうう

南瓜蒔く

かぼちゃまく・とうなすまく

かまい時

かまいどき

鎌倉右大臣忌

かまくらうだいじんき

剃刀貝

かみそりがい

神のお告げ

かみのおつげ

かみの木の花

かみのきのはな

紙雛

かみびな

紙風船

かみふうせん

亀鳴く

かめなく

亀の看経

かめのかんきん

がめの木の花

がめのきのはな

鴨帰る

かもかえる

髢草

かもじぐさ

鷗忌

かもめき

萱の芽

かやのめ

通う猫

かようねこ

通ふ猫

かようねこ

殻浅蜊

からあさり

韓神祭

からかみまつり

芥子菜

からしな

芥菜

からしな

辛菜

からしな

烏あげは

からすあげは

烏貝

からすがい

烏だこ

からすだこ

烏蝶

からすちょう

烏の巣

からすのす

鴉の巣

からすのす

烏木蓮

からすもくれん

枸橘の花

からたちのはな

唐椿

からつばき

樺太鱒

からふとます

唐木瓜

からぼけ

狂ふ蝶

くるうちょう

落葉松の芽

からまつのめ

杏の粥

からもものかゆ

からももの花

からもものはな

雁帰る

かりかえる

雁供養

かりくよう

雁の名残

かりのなごり

雁の別れ

かりのわかれ

臥龍梅

がりょうばい

榠樝の花

かりんのはな

獺魚を祭る

かわおそうおをまつる・かわうそうおをまつる

河烏

かわがらす

乾鱈

かわきだら・ほしだら

蛙合戦

かわずがっせん

川添柳

かわぞえやなぎ・かわぞいやなぎ

川高菜

かわたかな

川苣

かわぢさ

水苦賈

かわぢしゃ

川燕

かわつばめ

川菜

かわな

川蜷

かわにな

川端柳

かわばたやなぎ

川鱒

かわます

川柳

かわやなぎ

水楊

かわやなぎ

河原鶸

かわらひわ

変り雛

かわりびな

変わり雛

かわりびな

寒明

かんあけ

寒明け

かんあけ

寒明ける

かんあける

寛永雛

かんえいびな

観桜

かんおう

観桜御宴

かんおうぎょえん

観桜御会

かんおうぎょかい

寒終る

かんおわる

寒返る

かんかえる

雁瘡癒ゆ

がんがさいゆ

願解踊

がんげおどり

願解祭

がんげさい

官女

かんじょ

甘蔗植う

かんしょうう

寒食

かんしょく

寒食節

かんしょくせつ

甘藷苗

かんしょなえ

官女雛

かんじょびな

寒過ぎる

かんすぎる

寒過ぐ

かんすぐ

鑑三忌

かんぞうき

観潮

かんちょう

観潮船

かんちょうせん

疳取草

かんとりそう

広東木瓜

かんとんぼけ

寒の明け

かんのあけ

寒の戻り

かんのもどり

観梅

かんばい

かんばの花

かんばのはな

灌仏

かんぶつ

灌仏会

かんぶつえ

雁風呂

がんぶろ

寒もどり

かんもどり

寒戻り

かんもどり

黄虻

きあぶ

木苺の花

きいちごのはな

黄えびね

きえびね

妓王忌

ぎおうき

祇王忌

ぎおうき

祇園一切経会

ぎおんいっさいきょうえ

祇園御八講

ぎおんごはっこう

其角忌

きかくき

帰雁

きがん

聞きすへ鳥

ききすえどり

聞すえ鳥

ききすえどり

利茶

ききちゃ

聞茶

ききちゃ

桔梗の芽

ききょうのめ

菊植う

きくうう

菊菜

きくな

菊苦菜

きくにがな

菊根分

きくねわけ

菊の苗

きくのなえ

菊の根分

きくのねわけ

菊の芽

きくのめ

菊の若葉

きくのわかば

菊蕗

きくふき

菊分つ

きくわかつ

黄華鬘

きけまん

喜見城

きけんじょう

紀元節

きげんせつ

起蚕

きこ

枳殻

きこく

きさ

細螺

きさご

衣更着

きさらぎ

如月

きさらぎ

二月菜

きさらぎな

如月菜

きさらぎな

蟻蚕

ぎさん

雉子

きじ

岸青む

きしあおむ

雉打つ

きじうつ

羊蹄

ぎしぎし

義士祭

ぎしさい・ぎしまつり

雉の巣

きじのす

雉のほろろ

きじのほろろ

雉笛

きじぶえ

雉蓆

きじむしろ

季春

きしゅん

黄水仙

きずいせん

黄雀

きすずめ

北野菜種御供

きたのなたねごく

北野梅花祭

きたのばいかさい

北窓開く

きたまどひらく

黄蝶

きちょう

狐薊

きつねあざみ

狐の牡丹

きつねのぼたん

狐の森

きつねのもり

木流し

きながし

黄粉鳥

きなこどり

祈年祭

きねんさい

季御読経

きのみどきょう

木の芽和

きのめあえ

木の芽煮

きのめだき

木の芽漬

きのめづけ

木の芽田楽

きのめでんがく

木の芽味噌

きのめみそ

黄蜂

きばち

木五倍子の花

きぶしのはな

岐阜蝶

ぎふちょう

木彫雛

きぼりびな

きめこみ雛

きめこみびな

きうしう雉

きゅうしゅうきじ

九春

きゅうしゅん

旧正

きゅうしょう

旧正月

きゅうしょうがつ

灸据え日

きゅうすえび

及第

きゅうだい

胡瓜植う

きゅうりうう

胡瓜蒔く

きゅうりまく

杏花雨

きょうかう

杏花村

きょうかそん

行基菩薩忌

ぎょうぎぼさつき

行基詣

ぎょうぎもうで

経供養

きょうくよう

競漕

きょうそう

競漕会

きょうそうかい

叫天子

きょうてんし

京菜

きょうな

経の紐解

きょうのひもとき

京雛

きょうびな

享保雛

きょうほびな

経よみ鳥

きょうよみどり

御忌

ぎょき

御忌小袖

ぎょきこそで

御忌の鐘

ぎょきのかね

御忌の寺

ぎょきのてら

御忌詣

ぎょきもうで

曲水

きょくすい・ごくすい

曲水の宴

きょくすいのえん

虚子忌

きょしき

漁夫来る

ぎょふくる

漁夫募る

ぎょふつのる

金瘡小草

きらんそう

桐ケ谷桜

きりがやざくら

切山椒

きりざんしょう

霧島躑躅

きりしま・きりしまつつじ

キリスト受難日

きりすとじゅなんび

切接

きりつぎ

桐の芽

きりのめ

金衣鳥

きんいちょう

錦鶏児

きんけいじ

金盞花

きんせんか

金盞草

きんせんそう

ぎんなんの花

ぎんなんのはな

金鳳花

きんぽうげ

金鳳華

きんぽうげ

毛莨

きんぽうげ

金めばる

きんめばる

金蘭

きんらん

銀蘭

ぎんらん

銀縷梅

ぎんろばい

空海忌

くうかいき

茎立菜

くきたちな

茎立

くくたち

くくたち菜

くくたちな

枸杞

くこ

枸杞茶

くこちゃ

枸杞摘む

くこつむ

枸杞の芽

くこのめ

枸杞飯

くこめし

草青む

くさあおむ

草苺の花

くさいちごのはな

草朧

くさおぼろ

草かぐわし

くさかぐわし

草霞む

くさかすむ

草かんばし

くさかんばし

草芳し

くさかんばし・くさこうばし

草駒返る

くさこまがえる

草摘む

くさつむ

草の芽

くさのめ

草の餅

くさのもち

草の若葉

くさのわかば

草藤

くさふじ

草木瓜

くさぼけ

草萌

くさもえ

草餅

くさもち

草焼く

くさやく

草山吹

くさやまぶき

草若し

くさわかし

草若葉

くさわかば

楠の芽

くすのめ

葛の若葉

くずのわかば

葛若葉

くずわかば

糞蛙

くそがえる

管流し

くだながし

口明祭

くちあけまつり

口紅水仙

くちべにすいせん

苦難週

くなんしゅう

苦難の金曜日

くなんのきんようび

平国祭

くにむけまつり

櫟の芽

くぬぎのめ

句仏忌

くぶつき

熊穴を出づ

くまあなをいず

熊穴を出る

くまあなをでる

熊谷桜

くまがいざくら

熊谷草

くまがいそう

熊蜂

くまばち

汲鮎

くみあゆ

雲井桜

くもいざくら

雲に入る鳥

くもにいるとり

曇りざくら

くもりざくら

供養針

くようばり

鞍馬の花供養

くらまのはなくよう

車出す

くるまだす