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「朧夜(おぼろよ)」とは、春の夜に大気中の水分が増し、月や周りの景色がやわらかくかすんで見える夜のことです。平安の昔から愛されてきた美意識で、夜空の月がかすむ「朧月(おぼろづき)」とともに、春特有の湿り気や温もり、どこか夢見心地な風情を表す季語として親しまれてきました。冷たく張り詰めた冬の夜とは異なり、すべてを優しく包み込むような情緒が漂います。
「朧夜」そのものに幻想的で柔らかな雰囲気がたっぷりと備わっているため、「夢のよう」「かすんでいる」といった説明的な表現を重ねると、かえって詩情が薄れてしまいます。コツは、視覚だけに頼らず、匂いや音、肌に触れる空気の感触など「五感」を意識することです。また、あえて具体的な日常の物や動作を取り合わせることで、ぼんやりとした朧夜の広がりが鮮やかに対比され、句に深みが生まれます。
・日常の動作や音(無季):足音、靴音、川の音、鍵の音、人影、路地 ・感覚に訴える言葉(無季):湿り、匂い、ぬくもり、白さ、明かり ・春の植物や情景:桜、花びら、春の泥、春草
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煉瓦の小道
落葉雨
冬隣
吹かれし街を
独りゆく
もみじ落つ
朽ちゆく我も
また一葉
せせらぎの
音も錦の
谷紅葉
赤紅葉
浮かぶ障子や
黒紅葉
一条の
光となりて
翡翠飛ぶ