朧夜
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意味・由来

「朧夜(おぼろよ)」とは、春の夜に大気中の水分が増し、月や周りの景色がやわらかくかすんで見える夜のことです。平安の昔から愛されてきた美意識で、夜空の月がかすむ「朧月(おぼろづき)」とともに、春特有の湿り気や温もり、どこか夢見心地な風情を表す季語として親しまれてきました。冷たく張り詰めた冬の夜とは異なり、すべてを優しく包み込むような情緒が漂います。

この季語で詠むコツ

「朧夜」そのものに幻想的で柔らかな雰囲気がたっぷりと備わっているため、「夢のよう」「かすんでいる」といった説明的な表現を重ねると、かえって詩情が薄れてしまいます。コツは、視覚だけに頼らず、匂いや音、肌に触れる空気の感触など「五感」を意識することです。また、あえて具体的な日常の物や動作を取り合わせることで、ぼんやりとした朧夜の広がりが鮮やかに対比され、句に深みが生まれます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・日常の動作や音(無季):足音、靴音、川の音、鍵の音、人影、路地 ・感覚に訴える言葉(無季):湿り、匂い、ぬくもり、白さ、明かり ・春の植物や情景:桜、花びら、春の泥、春草

「朧夜」の俳句例 (4件)

朧夜はお齒黒どぶの匂ひ哉
正岡子規『寒山落木 巻一』(青空文庫)
朧夜や百姓の子の笛を吹く
朧夜にくづれかゝるや浪かしら
正岡子規『寒山落木 巻一』(青空文庫)
朧夜になりてもひさし猫の戀
正岡子規『寒山落木 巻一』(青空文庫)

みんなの「朧夜」の詠み

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