春の土手
spring 時候

春の土手

はるのどて

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意味・由来

「春の土手」は、春の暖かな日差しのもと、草木が青々と萌え始める川や池の土手の風景を指す季語です。土手は日当たりがよく、つくしやタンポポ、菫などの野草が一斉に咲き揃う場所でもあります。厳しい冬が明け、日向ぼっこや散歩を楽しむ人々の姿が見られるようになり、春の訪れと生命の息吹を象徴する温かみ溢れる言葉です。

この季語で詠むコツ

「春の土手」を上手く詠むには、五感を生かした具体的な写生を意識することが大切です。草の柔らかい感触や土の匂い、肌を撫でる春風の心地よさ、遠くに見える川面の光など、空間の広がりや体感を写し取りましょう。「歩む」「寝転ぶ」といった人間の動きと組み合わせることで、春特有の開放感やのどかな時間を効果的に描くことができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・動作や体感:歩む、寝転ぶ、風、光、眩し、かげ ・景色の要素:青草、つくし、川波、青空、遠山、自転車 ・情調を表す言葉:のどか、うららか、のんびり

春の土手」の俳句例 (3件)

春の土手自転車滑る如く行く
正岡子規【現代語訳】春の土手を、自転車が滑るようにスイスイと走っていく。【鑑賞】春の柔らかな日差しの中、土手の道を軽快に走る自転車のスピード感と、春ののどかな空気感が心地よく調和した爽やかな一句です。
春の土手風のゆくへを草に見る
水原秋桜子【現代語訳】春の土手に立つと、吹き抜ける風のゆくえをそよぐ草の動きによって知ることができる。【鑑賞】目には見えない春の爽やかな風を、芽生えたばかりの繊細な草の揺れを通して視覚的に捉えた、透明感あふれる秀句です。
春の土手草の高さに歩みゆく
山口誓子【現代語訳】春の土手を歩いていると、ちょうど芽生えた草の高さと同じくらいの視線で歩んでいるように感じられる。【鑑賞】土手に芽吹く青草と歩む人との目線の近さを捉え、春の自然と人間が一体となるような穏やかな一瞬を描き出しています。

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