朧
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意味・由来

「朧(おぼろ)」は、春の夜に空気中の水分や塵によって、月や景色がほのかにかすんで見える情景を表す季語です。昼間に景色がぼんやりとかすむことを「霞(かすみ)」というのに対し、夜の現象を「朧」と呼び分けます。古くから詩歌に詠まれてきた雅やかな言葉であり、「朧月」「朧夜」といった言葉の元にもなっています。春特有の湿り気を含んだ大気がもたらす、柔らかく幻想的な夜の風情を象徴しています。

この季語で詠むコツ

視覚的な輪郭のあいまいさだけでなく、春の夜のしっとりとした空気感や、夢心地のような情緒を表現するのがコツです。単に「景色が見えにくい」と描写するのではなく、遠くから聞こえる微かな物音、街の灯りの滲み具合、あるいは心に浮かぶ淡い追憶などと結びつけると句に奥行きが生まれます。具体的な日常の一場面を一つ取り合わせることで、朧の持つ幻想的な美しさがぐっと引き立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・街灯、灯影、提灯(輪郭が柔らかく滲む光の情景) ・水音、鐘の音、足音(静けさの中にくぐもって響く音) ・水辺、川面、橋(春の夜の潤いを感じさせる場所) ・家路、窓辺、畳(静かに過ごす日常の動作や空間)

「朧」の俳句例 (3件)

烏帽子きた殿居姿の朧なり
正岡子規『寒山落木 巻一』(青空文庫)
あれこれを集めて春は朧かな
松尾芭蕉『芭蕉俳句全集』(Wikisource)
薬園に伏樋のもるゝ朧かな

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