雪垣解く
spring 天文

雪垣解く

ゆきがきとく

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意味・由来

「雪垣解く(ゆきがきとく)」は、冬の間に豪雪や寒風から家屋や庭木を守るために設けられていた「雪垣(雪囲い)」を、春の訪れとともに取り外す作業を指す季語です。主に東北や北陸などの雪国で見られる光景であり、長く厳しい冬がようやく終わり、本格的な春がやってきたことを告げる、喜びと解放感に満ちた生活の節目を表しています。季節の移り変わりを肌で感じられる、動的で明るい春の季語です。

この季語で詠むコツ

雪垣が解かれることで、それまで遮られていた陽光が一気に室内に差し込み、視界がパッと開けます。この「光の劇的な変化」や、垣根を解く際の藁や竹の乾いた匂い、作業する人々の活気ある物音や声などを五感で捉えるのがコツです。冬の「閉ざされた空間」から春の「開かれた世界」への移行劇を意識して描写してみましょう。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 空間や光を表す言葉(日差し、青空、広さ、障子、奥座敷)
  • 音や匂いを表す言葉(槌の音、乾く、藁の香)
  • 動作や感情を表す言葉(弾む、笑う、放つ)

雪垣解く」の俳句例 (3件)

雪垣を解くや庭のひろごりし
高浜虚子【現代語訳】冬の間、庭を狭く塞いでいた雪垣を取り外すと、庭が本来の広さを取り戻し、一気に視界が開けたことだ。【鑑賞】雪垣がなくなることで、物理的にも視覚的にも空間が広がり、そこに春の明るい光が満ちていく様子が、虚子らしく平明かつダイナミックに表現されています。解放感にあふれた一句です。
雪垣を解くや障子の日の光
正岡子規【現代語訳】雪垣が取り外されると、それまで暗い陰を落としていた障子に、まばゆいばかりの春の日差しが真っ直ぐに差し込んできた。【鑑賞】光の対比が鮮やかな一句です。冬の閉ざされた室内から、一気に春の陽光に包まれる喜びが、障子に反射する白くまぶしい光を通して美しく描かれています。
雪垣を解けばすぐなるあるじかな
阿波野青畝【現代語訳】雪垣を解いた途端、家の主がすぐに外の明るい光の中に姿を現したことよ。【鑑賞】「すぐなる」には、垣根が取り払われてすぐに主の姿が見えたという視覚的な状況と、冬の束縛から解放されてのびのびとした主の様子(率直さや気安さ)の二重の意味が重ねられており、雪国の人々の春を待つ心が温かく伝わります。

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