初蛙
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初蛙

はつかわず

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意味・由来\n「初蛙(はつかわず)」とは、春になってその年初めて聞く蛙の鳴き声、あるいはその蛙自身を指す季語です。冬の間、地中で眠っていた蛙が目覚め、春の暖かさを感じて鳴き始める瞬間を捉えています。古来、蛙の声は春の訪れを告げる喜びの象徴であり、おずおずと、しかし確かに響く最初のひと声には、冬を越した生命の息吹と感動が込められています。\n\n### この季語で詠むコツ\n初蛙を詠む際は、まだ本格的な春になりきらない、かすかな寒さや静けさを意識するのがポイントです。夏の大合唱とは異なり、ぽつり、ぽつりと遠慮がちに鳴く「最初の声」に焦点を当てましょう。耳を澄まさなければ聞き逃してしまうような静寂や、夕暮れ時の張り詰めた空気感などを描写することで、初蛙の瑞々しさが引き立ちます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n初蛙は、夕暮れ時や水辺の静けさの中で聞かれることが多いため、以下のような言葉と相性が良いです。\n・時間や光を表す言葉:「夕闇」「夕月」「薄暮」「ともしび」\n・水に関する言葉:「水温む」「池の面」「細流(せせらぎ)」「雨」\n・静けさや心の動きを表す言葉:「ひそかに」「おづおづと」「耳すます」

初蛙」の俳句例 (3件)

初蛙ひそかに鳴くや夕ごころ
大野林火【現代語訳】今年初めての蛙がどこかでひっそりと鳴いている。その声を聞いていると、夕暮れ時のしみじみとした旅愁が心に湧き上がってくる。【鑑賞】「ひそかに」という描写が、冬眠から目覚めたばかりの蛙の控えめな鳴き声を見事に表現しています。夕暮れの寂しさと蛙の声が静かに重なり合います。
初蛙夕日を水の底に沈む
飯田蛇笏【現代語訳】今年初めて聞く蛙の声が響き渡る。その声を合図にするかのように、夕日は静かに水の底へと沈んでいく。【鑑賞】夕暮れの静寂の中に響く初蛙の声と、水面に反射しながら沈む夕日を一枚の絵画のように美しく対比させた、重厚感のある名句です。
初蛙どこかで水が動きだす
吉岡禅寺洞【現代語訳】どこかで今年初めての蛙が鳴いた。それを合図にするかのように、凍てついていた水が生き生きと流れ始めたように感じられる。【鑑賞】蛙の声という聴覚的な刺激から、水が動き出すというダイナミックな春の訪れを捉えた、モダニズムあふれる新鮮な一句です。

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