白ぐわゐ
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しろぐわい

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意味・由来

「白ぐわゐ(しろぐわい)」は、カヤツリグサ科の「シナクログワイ」という植物の塊茎(地下茎が肥大したもの)を指す春の季語です。お正月料理などで見かけるお馴染みの「クワイ(オモダカ科)」とは異なる植物で、中華料理の炒め物などでよく使われるシャキシャキとした独特の食感が特徴です。泥のついた外皮を剥くと、中から驚くほど透き通るような真っ白な実が現れることから「白慈姑」の名があります。春先の食膳に新鮮な清涼感をもたらす食材として親しまれてきました。

この季語で詠むコツ

白慈姑を詠む際は、その「圧倒的な白さ」と「硬質な触感」、そして「調理する際の手元」に注目するのがコツです。茶色い皮を剥くことで現れる鮮烈な白のコントラストや、包丁を入れたときの小気味よい手応え、水にさらしたときの冷たさなど、五感(視覚・触覚・聴覚)を働かせた写生を意識すると、生活感と美しさが同居した瑞々しい句が生まれます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 動作・感覚の言葉: 剥く(むく)、刻む、洗う、削る、こぼる、冷たし、固し
  • 台所・水回りの言葉: 厨(くりや)、まな板、包丁、水、洗ひ桶、刃先
  • 光や色彩の言葉: 白、澄む、ひかり、影、薄日

白ぐわゐ」の俳句例 (3件)

白慈姑皮むけばなほ白かりき
星野立子【現代語訳】白慈姑の皮をむいてみると、もともと白いと思っていたものが、中からはさらにいっそう真っ白で美しい肌が現れたことである。 【鑑賞】日常の何気ない調理のひとコマから、予想を超える「純白」を発見した驚きを素直に詠んでいます。「なほ白かりき」という平易な言葉遣いの中に、春の光を受けた白慈姑の鮮烈な色彩が浮かび上がり、作者の瑞々しい感性が伝わってきます。
白慈姑剥きこぼしたる水の中
後藤夜半【現代語訳】剥きあげた白慈姑を、次々と水の中に落とし入れていく。水の中でそれらが白く静かに沈んでいる。 【鑑賞】剥いた先から水の中へ「こぼし(落とし)」ていく、弾むような調理のテンポと、水中に揺れる白慈姑の清らかな美しさが一瞬のカットのように切り取られています。春の水の冷たさと透明感が、白慈姑の白さをいっそう引き立てています。
白慈姑洗ふ手さきを尊べり
飯田蛇笏【現代語訳】冷たい水で白慈姑を丁寧に洗っている人の手先を見ていると、実直な労働の姿として非常に尊く感じられる。 【鑑賞】冷水で泥を落とし、白慈姑の白い肌を洗い出す手元に、深い敬意と愛しみ(いつくしみ)を注いだ句です。生活の細部に対する蛇笏の格調高い眼差しが、何気ない日常の動作を美しく厳かな一瞬へと昇華させています。

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