落雲雀
spring 天文

落雲雀

おちひばり

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意味・由来

「落雲雀(おちひばり)」は、春の暖かな日差しの中で天高く舞い上がり(揚げ雲雀)、美しい声でさえずっていた雲雀が、急に歌をやめて地上へと弾丸のように真っ逆さまに急降下してくる様子、またはその雲雀のことを指します。華やかな春の空の主役が一転して、急激な速度で地上の草むらへと消えていくその姿は、劇的な静と動の対比を見せてくれます。

この季語で詠むコツ

落雲雀を詠む際は、空から地上へというダイナミックな「縦の動き」と、賑やかなさえずりから一瞬にして訪れる「静寂」のギャップを捉えることが重要です。ただ落ちる様子だけでなく、見失ってしまった後の草むらの静けさや、着地した瞬間の生命の重みに焦点を当てると、詩情が深まります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 地上の情景:麦の芽、草むら、泥、土、畦道
  • 変化を表す言葉:消える、黙る、風になる、吸い込まれる、不意に
  • 空や天候:春の空、薄曇り、日差し、陽炎

落雲雀」の俳句例 (3件)

落雲雀草のなきがら深う落つ
飯田蛇笏【現代語訳】空から落ちてきた雲雀が、まるで自然の骸(むくろ)のように静まり返っている草むらの奥深くに、吸い込まれるように降りていった。 【鑑賞】「草のなきがら」という表現により、生命感あふれる雲雀が地上に戻った瞬間、周囲の枯れ草などの物言わぬ自然と同化し、一気に深い静寂に包まれる様子が象徴的に描かれています。
落雲雀どこまで落ちて風になる
上田五千石【現代語訳】急降下してくるあの雲雀は、一体どこまで落ちていったら、そのまま形を失って風と同化してしまうのだろうか。 【鑑賞】落雲雀の圧倒的なスピード感と、ある瞬間にふっと目から消えてしまう残像のような感覚を「風になる」と捉えた、非常に現代的で瑞々しい感性が光る名句です。
落雲雀土をつかみておさまれり
飯田蛇笏【現代語訳】空から急に降りてきた雲雀が、しっかりと大地の土を掴むようにして、ようやく動きを止めて落ち着いた。 【鑑賞】急降下という激しい動的な運動が、地上に着地した瞬間に「土をつかむ」という確かな触感とともに静止する。その着地の力強さと生命の安堵感を克明に描き出しています。

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