苗代道
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苗代道

なわしろみち

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意味・由来\n「苗代道(なわしろみち)」とは、春に米の種をまいて苗を育てる「苗代(なわしろ)」を作る時期に、その苗代へ通うために田んぼの間に設けられる細いあぜ道や野道のことです。春の農作業が本格化し、人々が忙しく行き交うようになる季節の象徴です。冬の間は静まり返っていた田園が、水が引かれ、土が耕されることで一気に活気づく様子を内包した、温かみと生命感に満ちた季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n苗代道は、単なる道としての風景だけでなく、そこに暮らす人々の営みや息遣いを感じさせることが大切です。ぬかるむ泥の感触、踏み固められた土の硬さ、かすかに芽吹く草の緑など、五感(触覚や視覚)を意識して描写すると、現場の臨場感が引き立ちます。また、春特有の柔らかい光や、夕暮れののんびりとした時間経過を取り入れるのも効果的です。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 動きや状態を表す言葉:「通う」「ぬかるむ」「急ぐ」「暮れ泥む」「乾く」\n- 視覚・色彩の言葉:「薄緑」「水鏡」「春の泥」「人影」「野の草」\n- 五感に訴える言葉:「風の音」「土の香」「ひばりの声」「あたたかき」

苗代道」の俳句例 (3件)

苗代道や人の往来のあたたかき
高浜虚子【現代語訳】苗代道を通る人々の行き交う様子や、言葉を交わす様子に、春ならではの暖かさが感じられることよ。【鑑賞】春の農耕期の始まりとともに活気づく田園地帯の、のどかで温かい人間味あふれる情景を、素朴かつ大らかに詠み上げた名句です。
苗代道にしづくしてゆく大傘かな
飯田蛇笏【現代語訳】春の雨が降る苗代道を、大きな傘から雨の雫をぽたぽたと落としながら、誰かが通り過ぎていくことよ。【鑑賞】春雨のなか、苗代の様子を見に行く農夫の姿が、大きな傘とその滴りという具体的なモノを通して活写されています。蛇笏らしい重厚で絵画的な一瞬が捉えられています。
苗代道や草の青みゆくばかり
星野立子【現代語訳】苗代道を進んでいくと、その道端の草がだんだんと青みを帯びていくばかりの、静かな春の景色が広がっている。【鑑賞】春が深まるにつれて、あぜ道の草が生き生きと芽吹いていく様子を、女性らしい素直な視線で切り取っています。「ばかり」という表現に、自然の移り変わりへの深い愛着が感じられます。

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