土筆摘
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土筆摘

つくしつみ

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意味・由来

「土筆摘(つくしつみ)」は、春の野山に顔を出す土筆(つくし)を摘み集める様子を指す、春の季語です。土筆はスギナの胞子茎であり、ツンツンと地面から顔を出す姿は春の訪れを告げる代表的な風物詩です。古来、人々は春になると野山へ出て、土筆を摘み、袴を取ってお浸しや佃煮にして食してきました。これは単なる食材集めにとどまらず、厳しい冬を越えて巡ってきた春の光を体いっぱいに浴びる、のどかで楽しいレクリエーションでもありました。そのため、どこか温かく微笑ましい、平和な春の一日を象徴する季語となっています。

この季語で詠むコツ

土筆を摘むときは、自然と地面にかがみ込み、視線が足元の小さな世界に集中します。そのため、ただ「土筆を摘んだ」と報告するだけでなく、かがんでいる時の背中の温かさ、土や風の匂い、あるいはふと顔を上げた瞬間に広がる大きな空や遠くの景色など、「ミクロからマクロへの視線の変化」や「五感の動き」を意識して詠むと、臨場感あふれる句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 天候や光: 「うららか」「日和(ひより)」「春風」「日差し」
  • 体の一部・動作: 「背中(せなか)」「かがむ」「指先」「手のひら」
  • 場所: 「土手」「堤(つつみ)」「野原」「日だまり」

土筆摘」の俳句例 (3件)

つくし摘む背にうららかな日影かな
高浜虚子【現代語訳】かがんで土筆を摘んでいる私の背中に、春のうららかな陽光が心地よく当たっていることだ。 【鑑賞】土筆摘みに夢中になっている人の、丸くなった無防備な背中に焦点を当てています。そこに優しく降り注ぐ春の光(日影)を描くことで、全身で春の温かさを満喫している幸福感が伝わってきます。
土筆摘む野辺の広さよ静かさよ
正岡子規【現代語訳】土筆を摘んでいるこの野原は、なんと広々としていて、そしてなんと静かなことだろう。 【鑑賞】春の柔らかな光に包まれた広い野原で、一人静かに土筆を摘んでいる作者の姿が浮かびます。周囲に遮るものはなく、ただ穏やかな時間が流れている、春ののどかさを凝縮した名句です。
つくし摘む野のひろごりや日のみちて
水原秋桜子【現代語訳】土筆を摘む野原がどこまでも広がっており、そこには春の豊かな光が満ちあふれている。 【鑑賞】「日のみちて」という表現が、春のまばゆいばかりの生命力と温かさを象徴しています。小さな土筆を探す人間の視線と、世界全体を包み込む大きな光の対比が非常に鮮やかで、開放感に満ちた作品です。

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