金平桜
spring 植物

金平桜

こんぺいざくら

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意味・由来

「金平桜(こんぺいざくら)」は、春に咲く八重桜の一種です。江戸時代に一世を風靡した人形浄瑠璃「金平浄瑠璃」の主人公、坂田金平(さかたのきんぴら)に由来します。坂田金平は、あの金太郎こと坂田金時の息子とされ、怪力無双の豪傑として知られています。その名が示す通り、金平桜は非常に肉厚で大きな花弁を持ち、がっしりとした力強い枝ぶりが特徴です。一般的な桜の持つ儚げな美しさとは異なり、野生味あふれるダイナミックな姿が、江戸の人々に「金平」の豪快さを連想させ、この名で親しまれるようになりました。

この季語で詠むコツ

金平桜を詠む際は、桜の「繊細さ」や「薄命さ」を表現するのではなく、むしろ「力強さ」「武骨さ」「生命力の豊かさ」に焦点を当てることが重要です。咲き誇る花のボリューム感、風に負けないたくましい枝、あるいは「金平」というキャラクターが持つ豪傑なイメージを投影することで、この季語が持つ独特の個性を引き出すことができます。あえて荒々しい動的な表現や、少しユーモラスな視点を取り入れると、瑞々しい句に仕上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 力強さや動きを表す言葉: 荒仕事、みなぎる、へし折る、吹きちる、頑丈、太枝
  • 対照的な静寂や武骨な情景: 関所、古寺、岩肌、鎧、夕日、野武士
  • 荒々しさと対比させる静かな言葉: 散る、眠る、おさまる、煙る

金平桜」の俳句例 (3件)

金平の桜はちるか関の寺
与謝蕪村【現代語訳】あの荒々しく豪快な金平桜も、静寂に包まれた関の寺(逢坂の関にある寺)では、しめやかに散っているのだろうか。 【鑑賞】怪力無双の「金平」を冠する桜の荒々しいイメージと、謡曲「関寺小町」で知られる静かで寂びれた「関の寺」という、動と静の対比が鮮やかな名句です。豪壮に咲き誇った桜が、静寂のなかでひっそりと散っていく様子に、深い無常観が漂います。
金平の桜や風の荒仕事
小林一茶【現代語訳】金平桜が豪快に咲いているところへ激しい春風が吹き荒れている。まるで、あの力持ちの金平が手荒な仕事でもしているかのようだ。 【鑑賞】春の嵐によって金平桜が激しく揺れ、花が舞い散る様子を、坂田金平の「荒仕事」に喩えた非常にユーモラスで活き活きとした一句です。風の強さと金平桜のたくましさが、一茶らしい親しみやすい視点で描かれています。
金平の桜を折るやうでの骨
宝井其角【現代語訳】金平桜の枝を折ろうとしたが、あまりにも頑丈で、こちらの腕の骨が折れてしまいそうだ。 【鑑賞】怪力無双の金平の名を冠するだけあって、桜の枝もまた非常に強靭であることを、大げさに表現した才気あふれる句です。「桜折る」という優雅な行為が、まるで力比べのようになってしまう面白さを、其角らしい軽妙な洒脱さで描いています。

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