霞
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意味・由来

「霞(かすみ)」は、春の空気中に細かな水滴や塵などが漂い、遠くの景色がぼんやりと淡くかすんで見える現象を指します。古くから日本の詩歌で深く愛されてきた春を代表する美称です。なお、夜に同様の状態で月などがぼやける現象は「朧(おぼろ)」と呼び、秋の同様の現象は「霧(きり)」と呼んで区別するのが俳句の伝統的な約束事です。春の穏やかな陽気と大気の湿り気を感じさせる、情感豊かな季語です。

この季語で詠むコツ

霞はただ「景色が見えにくい」という物理的な状態だけでなく、春の光の柔らかさや、のどかな時間の流れを醸し出す力を持っています。遠くの山や里の風景を詠む際、単に「霞んでいる」と述べるのではなく、霞の向こうに見え隠れする色や輪郭、微かな物音を描くと句に奥行きが生まれます。また、「朝霞」「夕霞」「遠霞」といった言葉を活用したり、「霞立つ」「霞む」といった表現を取り入れたりすることで、情感あふれる情景を表現しやすくなります。

相性のいい言葉・取り合わせ

・山、丘、野道(例:遠山、里山、野の果て) ・光、色(例:淡し、茜、日差し) ・動作、状態(例:包む、消え入る、杳かなり、たなびく) ・春の事物(例:菜の花、鐘の音、舟)

「霞」の俳句例 (5件)

和歌のあととふや出雲の八重霞
松尾芭蕉『芭蕉俳句全集』(Wikisource)
裸木も霞みそめたる藪穂かな
松本たかし『松本たかし句集』(青空文庫)
大比枝やしを引捨てし一と霞
松尾芭蕉『芭蕉俳句全集』(Wikisource)
だまされて遠道を来し霞かな
松本たかし『松本たかし句集』(青空文庫)
旅人の寐てから霞む野梅哉
松尾芭蕉『芭蕉俳句全集』(Wikisource)

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