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「貝寄風(かいよせ)」とは、陰暦二月二十日前後に吹く西風のことです。大阪の四天王寺で開かれる聖霊会(しょうりょうえ)の法要において、舞楽の仏花として飾る造花の台座に使う貝殻を、難波の浜辺へ吹き寄せる風という言い伝えが由来となっています。海から春の訪れを告げるように吹くこの風は、どこか神秘的で雅やかな響きを持ち、砂浜に美しい貝殻を運んでくる情景を想起させる春の季語です。
風そのものは目に見えないため、風が吹き寄せた「貝殻」や「波打ち際」、「白波」などの具体的な景色を描写することが大切です。また、遠い昔の法会や難波の海を想う歴史的なロマンを詠み込むのも趣があります。「貝寄風や」と上五で詠み切ってから、砂浜で見つけた淡い桜貝や足跡などの静かな情景を取り合わせると、風の強さと春の海の光が美しく際立ちます。