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「薺蒿(おはぎ)」は、春の野山や道端に自生するキク科の野草を指す春の季語です。秋のお彼岸に食べる和菓子の「お萩」とは異なり、こちらは春に芽吹く植物そのものを表します。古くから若菜として親しまれ、草餅(草の餅)の材料として摘まれたり、おひたしなどの食用とされたりしてきました。素朴で控えめながらも、大地から萌え出る力強い生命力と、古き良き日本の春の風情を感じさせる美しい言葉です。
「おはぎ」という響きから、食べ物の情景や可愛らしさを連想させやすい言葉ですが、春の植物であることをしっかりと読者に伝える描写がポイントになります。足元の土の湿り気、日差しを浴びて広がる若葉の緑、野原を吹き抜ける風など、自然の情景と組み合わせることで季語の持つ清々しさが引き立ちます。また、春の草摘みの楽しさや、摘み取った葉の青々とした香りを五感を通して詠み込むと、生活感と詩情が調和した味わい深い句になります。
・日差し(春光、春日、うららか) ・場所(畦道、野原、古道、土手) ・動作・五感(摘む、手籠、青き匂ひ、芽吹く、もぎる) ・道具や暮らし(籠、指先、草餅、土器)