ひかり蝦
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ひかり蝦

ひかりえび

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意味・由来

「ひかり蝦(ひかりえび)」は、春の海や水辺で青白く発光する微小な甲殻類(ウミホタルなど)や、春の光を浴びてキラキラと輝く小さなエビの類を指す春の季語です。生命が息吹き始める春の水中において、闇の中にほの白く、あるいは青くまたたく光は、古来より人々を魅了してきました。特に夜の海で群れをなして発光する様子は、幻想的で神秘的な春の風物詩として知られています。

この季語で詠むコツ

「ひかり蝦」を詠む際は、その繊細で儚い「光」を際立たせるための背景設定が重要です。周囲の「闇」や「夜の静けさ」、あるいは「満ちてくる潮」など、静的な情景と組み合わせることで、蝦の放つ微かな光がより鮮明に浮かび上がります。また、網やバケツといった人の営みの道具と組み合わせることで、生活感の中にある一瞬の美しさを切り取ることもできます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 時間や空間: 夜潮(よじお)、生簀(いけす)、暗がり、春の闇
  • 動き・触覚: こぼるる、満ちる、揺るる、濡れたる
  • 感覚: 静けさ、ほの暗し、冷たし、青き光

ひかり蝦」の俳句例 (3件)

光蝦に満ちてしづけき夜潮かな
飯田蛇笏【現代語訳】春の夜の海は、青白く発光する光蝦に満たされて、どこまでも静かに潮が満ちてくることよ。 【鑑賞】暗い夜の海一面に広がる神秘的な光蝦の輝きと、音もなく満ちていく夜潮の静寂。自然の奥深い生命力と静けさが見事に調和した、飯田蛇笏らしい重厚で幻想的な名句です。
光蝦ふりおとしつつ網を揚ぐ
山口青邨【現代語訳】引き揚げた網から、くっついている光蝦をパラパラと振り落としながら、さらに網を高く揚げていく。 【鑑賞】漁の労働の力強さと、網からこぼれ落ちる光蝦の繊細なきらめきが対比されています。夜、あるいは薄明の海での生き生きとした人間の営みと、自然の美しさが一瞬の動作の中に切り取られています。
光蝦こぼるる網や春の海
細見綾子【現代語訳】春の海から引き揚げた網の目から、光蝦がキラキラとこぼれ落ちている、その豊かな春の海よ。 【鑑賞】「こぼるる」という表現が、光蝦の小ささとその数の多さを生き生きと伝えています。春の海の豊かさと生命の息吹、そして光の美しさを素直に、かつ鮮やかに捉えた一句です。

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