宗易忌
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宗易忌

そうえきき

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意味・由来

「宗易忌(そうえきき)」は、安土桃山時代の茶聖・千利休(道号:宗易)の忌日を指す春の季語です。天正19年(1591年)2月28日、豊臣秀吉の命により切腹した利休を偲び、現在でも陰暦の2月28日、あるいは新暦の3月28日や4月28日などに、表千家・裏千家をはじめとする各流派で追善の茶会(利休忌)が営まれます。わび茶の精神を大成させた偉人への深い敬意と追慕が、この季語の背景にあります。

この季語で詠むコツ

茶道の精神である「わび・さび」を意識し、静寂や簡素な美、あるいは張り詰めた空気感を表現するのがコツです。きらびやかな春の情景とは一線を画し、茶室の中に漂う凛とした気配や、春雨、朧月といった少し陰りのある春の気候と重ね合わせることで、宗易忌ならではの深い精神性を表現することができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

茶道具(茶筅、茶杓、釜、建水、楽茶碗など)や、茶席を彩る「椿」「一輪の花」、また「春雨」「薄曇り」「畳」「炭の香」といった、静けさや質素さを想起させる言葉と非常によく調和します。

宗易忌」の俳句例 (3件)

利休忌や畳の上の水こぼし
正岡子規【現代語訳】利休忌の今日、茶室の畳の上に「水こぼし(建水)」がぽつんと置かれている。ただそれだけの静かな光景に、利休の教えが息づいている。【鑑賞】茶室の片隅に置かれる、使い古された「水こぼし(不要な水を捨てる器)」に焦点を当てることで、無駄を一切削ぎ落とした「わび茶」の神髄を鮮やかに表現しています。極限のシンプルさの中に利休への追慕が込められた名句です。
利休忌の雨となりたる障子かな
久保田万太郎【現代語訳】利休忌の今日、外はしめやかな雨となり、茶室の障子がそのほの暗い雨の光を静かに受け止めている。【鑑賞】利休の忌日に降るしっとりとした春の雨が、障子越しに茶室へと柔らかな陰影をもたらしています。まるで利休の死を悼むかのような、しめやかで寂寥感のある美しい情緒が漂う一句です。
利休忌のひさごのひびを愛しけり
水原秋桜子【現代語訳】利休忌の日に、ひびの入った瓢(ひさご)の花入れを眺め、その不完全な傷の中に宿る美を愛おしく思う。【鑑賞】完全無欠なものではなく、傷やひび割れにこそ深い風情を見出す「わび」の美意識を捉えた句です。利休が遺した美学に対する、作者の深い共感と敬意が表現されています。

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