3月の季語一覧

旧暦:弥生(やよい)季節:仲春(春)二十四節気:啓蟄(3月6日頃)・春分(3月21日頃)

草木が芽吹き、花々がほころび始める春たけなわの季語です。

あなたも一句詠んでみませんか?

俳句びとは、季語から一句を詠んで共有できる無料の俳句SNSです。気になる季語を選んで、一句詠んでみましょう。

代表的な3月の季語と名句

正岡子規や高浜虚子などの名句(出典つき)とともに、3月を代表する季語を紹介します。

椿

つばき

春植物

赤い椿白い椿と落ちにけり

― 河東碧梧桐『碧梧桐句集』

意味・由来 椿はツバキ科の常緑高木で、春の訪れとともに赤や白の鮮やかな花を咲かせます。古くから日本人に親しまれており、『万葉集』にもその美しさが詠まれています。名前の由来は、葉に艶があることから「艶葉木(つやばき)」、あるいは厚みのある葉から「厚葉木(あつばき)」が転じたとする説が有力です。冬に咲く

長閑

のどか

春

長閑さや障子の穴に海見えて

― 正岡子規

意味・由来 「長閑」は、春の暖かな日差しの中で空気がゆったりと和み、天地の万物がのんびりと落ち着いている様子を表す三春の季語です。平安時代の和歌にも「のどけし」として多く詠まれており、古くから日本人に愛されてきた春の実感です。寒さが緩んで心身ともにほぐれていくような、穏やかな空気感を一言で象徴してい

雛

ひな

春

名をつけて鴇母にするや崩れ雛

― 正岡子規

意味・由来 「雛(ひな)」は、三月三日の雛祭りに飾られる雛人形のことです。古代中国から伝わった上巳の節句における厄払いの風習と、平安時代の貴族の少女たちが行っていた人形遊びである「ひいな遊び」が結びついて生まれました。江戸時代に入ると、女の子の健やかな成長と幸福を祈る行事として広く庶民にも定着し、現

田螺

たにし

春

ぎやう/\し田螺おさへてなく蛙

― 正岡子規

意味・由来 「田螺(たにし)」は、水田や小川、池などの泥底に生息する淡水性の巻貝です。冬の間は泥の深くに潜ってじっとしていますが、春の訪れとともに水が温んでくると、泥から這い出して活発に動き始めます。その動き出しに春の息吹を感じられることから、古くから春の季語として親しまれてきました。かつては農村な

雉

きじ

春

子に鳴いて見せるか雉の高調子

― 正岡子規

雉(きじ)は、古くから多くの俳人に愛されてきた季語です。この季語が持つ背景や歴史的文脈を理解することで、より深みのある俳句を詠むことができます。情景をありのままに写生したり、自分の感情を重ね合わせたりと、様々な表現方法が存在します。

涅槃

ねはん

春

涅槃會や蚯蚓ちきれし鍬の先

― 正岡子規

意味・由来 「涅槃(ねはん)」とは、仏教の開祖である釈迦が入滅したこと、すなわち肉体を離れて完全な悟りの境地に入ったことを指す春の季語です。陰暦二月十五日(現在の三月頃)にあたり、多くの寺院では釈迦の遺徳を偲ぶ「涅槃会(ねはんえ)」が営まれます。堂内には、横たわる釈迦の周囲で弟子や動物たちが嘆き悲し

水温む

みずぬるむ

春

万歳の渡りしあとや水温む

― 正岡子規

意味・由来 「水温む」は、厳しい冬の寒さが和らぎ、川や池、湖などの水が次第に温かさを帯びてくる情景を表す春の季語です。実際に触れたときの冷たさの緩みはもちろんのこと、水面の輝きや水底の透き通るような明るさなど、視覚的にも春の訪れを感じさせます。冬のあいだ凍てついていた自然が息を吹き返し、命の気配が水

涅槃像

ねはんぞう

春

涅槃像胡蝶の梦もなかりけり

― 正岡子規

意味・由来 「涅槃像(ねはんぞう)」とは、釈迦が入滅(死去)したときの姿を表した仏像や絵画(涅槃図)のことです。頭を北、顔を西に向けて右脇を下にして横たわる釈迦の周りに、嘆き悲しむ弟子や菩薩、さらには動物たちまでもが集まる様子が描かれます。陰暦二月十五日(現在の三月十五日前後)に行われる釈迦の追善法

彼岸

ひがん

春

つく鐘を唖の見て居る彼岸哉

― 正岡子規

意味・由来 「彼岸」は春分の日を中日とする前後七日間のことです。単に「彼岸」と言えば春の季語となり、秋のものは「秋彼岸」と呼んで区別します。元々は仏教用語で、迷いのある現世である「此岸」に対して、悟りの境地である「彼岸」を指す言葉でした。古くから先祖供養のために墓参りや法要を行う習慣があり、同時に「

蛙

かえる

春動物

古池や蛙飛びこむ水の音

― 松尾芭蕉『春の日』

意味・由来 「蛙(かえる)」は春の季語で、冬眠から目覚めて活動を始める蛙たちの様子を指します。古くは『万葉集』や『古今和歌集』の時代から「かわず」として和歌に好んで詠まれてきました。現代でも田んぼや水辺で鳴く声、コミカルに跳びはねる姿、水に飛び込む音など、五感を通して春の訪れと生命の息吹を感じさせる

桃の花

もものはな

春

牛飼も牛も眠るや桃の花ノ句繋がれて牛も眠るやもゝの花

― 正岡子規

意味・由来 「桃の花」は仲春を代表する植物の季語です。古く中国から渡来した花で、中国の神話や伝説では不老長寿の仙木とされ、邪気を払う神聖な力を持つと信じられてきました。日本でも三月三日の上巳の節句、いわゆる「桃の節句」に飾られる花として親しまれています。桜よりも花びらが肉厚で丸みを帯びており、鮮やか

杉の花

すぎのはな

春

一すぢの春の日さしぬ杉の花

― 前田普羅

意味・由来 「杉の花」は、春先に杉の枝先に咲く花、特に黄色く熟して花粉を放つ雄花を指す春の季語です。二月から四月頃にかけて、山々の杉林が赤褐色から黄色みを帯び、風が吹くたびに煙のように濃い花粉を大気中に舞い上げます。現代では花粉症の原因として厄介者扱いされがちですが、俳句の世界では、春の訪れを山肌の

3月の季語一覧

全 113 語

その他

赤椿あかつばき揚雲雀あげひばり朝霞あさがすみ朝寝あさね虻あぶ糸遊いとゆう朧おぼろ朧月おぼろづき朧夜おぼろよ花杏かきょう陽炎かげろう霞かすみ蝌蚪かと・かえるこ蝌蚪の水かとのみず雉きじ草餅くさもち啓蟄けいちつ耕馬こうば胡蝶こちょう木の芽このめ・きのめ辛夷こぶし桜草さくらそう挿木さしき紫苑の芽しおんのめ春泥しゅんでい春分しゅんぶん春分の日しゅんぶんのひ春雷しゅんらい春蘭しゅんらん白子しらす白蝶しろちょう白椿しろつばき沈丁じんちょう沈丁花じんちょうげ杉の花すぎのはな大試験だいしけん耕たがやし・たがえし凧たこ田螺たにし蒲公英たんぽぽ中日ちゅうにち蝶ちょう蝶々ちょうちょう・ちょうちょ土雛つちびな燕つばめ踏青とうせい桃林とうりん蜷にな涅槃ねはん涅槃像ねはんぞう長閑のどか野蒜のびる蜂はち初蝶はつちょう花椿はなつばき春雨傘はるさめがさ春野はるの春の雨はるのあめ春の風邪はるのかぜ春の草はるのくさ春の暮はるのくれ春の駒はるのこま春の芝はるのしば春の空はるのそら春の月はるのつき春の日はるのひ春の闇はるのやみ春の夕はるのゆうべ・はるのゆう春の夜はるのよ春の宵はるのよい春山はるやま彼岸ひがん干鱈ひだら雛ひな雛人形ひなにんぎょう雛の家ひなのいえ雲雀ひばり蛇穴を出るへびあなをでる舞雲雀まいひばり三日月みかづき水草生ふみずぐさおう・みくさおう水取みずとり水温むみずぬるむ芽め芽吹くめぶく萌もえものの芽もののめ桃もも桃咲くももさく桃の節句もものせっく桃の花もものはな桃畑ももばたけ柳やなぎ柳の糸やなぎのいと屋根替やねがえ山椿やまつばき雪解ゆきどけ・ゆきげ呼子鳥よぶこどり連翹れんぎょう若草わかくさ
2月の季語仲春(春)の季語一覧を見る4月の季語