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西行忌(さいぎょうき)は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した漂泊の歌人、西行法師の命日(陰暦二月十六日)を偲ぶ春の季語です。西行は「願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ」という有名な和歌を詠み、まさにその歌の通り、釈迦の涅槃の日の翌日に入寂したと伝えられています。自然を深く愛し、諸国を旅しながら数多くの名歌を残した西行の生涯に思いを馳せ、春の訪れとともにその遺徳や雅な精神を追慕する日となっています。
西行忌を詠む際は、西行法師の代名詞ともいえる「桜(花)」や「旅」、あるいは彼が愛した「山里」や「月」の情景を取り合わせるのが王道です。ただし、単なる追悼の辞にとどまらず、西行の澄み切った無常観や風雅の心を、現代の自分自身の生活や目の前の景色に重ね合わせることが大切です。咲き始めたばかりの桜や、春霞の立ち込める山道、古寺の静寂などを背景に配することで、哀愁と美しさを兼ね備えた格調高い句に仕上がります。
・桜、初桜、花の芽(西行を象徴する春の花木) ・春の月、朧月(西行が愛した月夜の面影) ・吉野、古寺、山里、草庵(西行ゆかりの静寂な場所) ・旅、菅笠、杖、墨染(漂泊の僧侶としての姿を思わせる言葉)