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「水取(みずとり)」とは、奈良の東大寺二月堂で毎年三月に行われる修二会(しゅにえ)の主要な行事のことです。特に三月十二日の深夜(十三日未明)、閼伽井(あかい・若狭井)から仏前に供える香水を汲み上げる儀礼を指します。巨大な籠松明が火の粉を散らしながら回廊を駆ける壮麗な光景でも名高く、古くから「お水取りが済めば春が来る」と言われ、関西に本格的な春の訪れを告げる伝統的な行事として親しまれています。
水取を詠む際は、「火」と「水」、そして「闇」と「光」の鮮やかな対比を意識すると情景が引き立ちます。松明の爆ぜる音や散る火の粉の激しさを捉える動的な描写も魅力的ですし、逆に儀式のあとの静寂や、春浅い深夜の張り詰めた冷気に目を向ける静的な切り取り方も効果的です。遠く離れた場所から古都の歴史や祈りに思いを馳せる句も趣があります。
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