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凧(たこ)は、竹などで組んだ骨組みに紙や布を張り、糸で引いて風に乗せて空高く揚げる玩具です。現代ではお正月に揚げるイメージが定着していますが、伝統的な俳句の世界では「春」の季語として扱われます。江戸時代、風が強すぎず上昇気流が起きやすい春先に、男の子の健やかな成長や立身出世を祈念して盛んに揚げられた名残です。「紙鳶(しえん)」や「いかのぼり」とも呼ばれ、のどかな春の空を彩る風情として古くから愛されてきました。
空に浮かぶ凧そのものの美しさや形の面白さを描くだけでなく、糸を操る地上の人間に視点を向けるのがポイントです。風をはらんでピンと張る糸の緊張感や、指先に伝わる手応え、糸巻きのきしむ音など、五感で捉えた感触を詠み込むと臨場感が増します。また、春のうららかな光や広々とした野原など、周囲の穏やかな風景との対比を意識すると、凧の力強さがいっそう引き立ちます。
・春風(はるかぜ) ・青空(あおぞら) ・川原/河原(かわら) ・野原(のはら) ・糸(いと) ・指先(ゆびさき)