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「桃の花」は仲春を代表する植物の季語です。古く中国から渡来した花で、中国の神話や伝説では不老長寿の仙木とされ、邪気を払う神聖な力を持つと信じられてきました。日本でも三月三日の上巳の節句、いわゆる「桃の節句」に飾られる花として親しまれています。桜よりも花びらが肉厚で丸みを帯びており、鮮やかな紅色や清楚な白、愛らしい桃色の花が、枝に寄り添うようにぽってりと咲き誇る姿が特徴です。
桜が持つ「散り際の儚さ」や「幽玄」とは対照的に、桃の花には「生命の瑞々しさ」「ふくよかな温かみ」「素朴な陽気さ」があります。果樹園一面に広がる桃色を「桃源郷」に見立てて雄大な春景を詠むのも良く、あるいは女の子の健やかな成長や赤ん坊の柔らかな頬、ひな祭りの賑やかさと重ね合わせて詠むと、この季語ならではの華やぎが引き立ちます。
・雛壇、紙雛、雛祭り(春の季語) ・山里、畦道、青空(無季の言葉) ・うららか、春光、春泥(春の季語) ・笑顔、幼子、産声(無季の言葉)
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風に籠れる
鹿のこゑ
青沼に
若き日の我
もみじ狩り
吾も世も
秋を抱ける
明日かな
風の背を
追うて紅葉の
散り頻る
前線が
流るる列島
紅葉染め
街路樹の
露弾き飛ぶ
紅葉狩り