坂東太郎
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坂東太郎

ばんどうたろう

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意味・由来

「坂東太郎(ばんどうたろう)」は、夏の空に発生する巨大な積乱雲(入道雲)の俗称です。元々は日本三大暴れ川の一つである「利根川」の愛称ですが、俳句の世界では主に関東地方の夏空に雄大にそびえ立つ雷雲・入道雲を指します。関東の広い平野部に発生し、激しい夕立や雷をもたらすその姿を、恐ろしくも頼もしい「坂東(関東)の長男」に見立ててこのように呼びます。夏の力強い自然のエネルギーを象徴する、非常にダイナミックな季語です。

この季語で詠むコツ

坂東太郎を詠む際は、その圧倒的な「スケール感」と「立体感」を意識することが大切です。単に「大きい雲」と描写するだけでなく、雲が立ち上がることで周囲の山々や建物がどのように小さく見えるか、あるいはその雲がもたらす不穏な空気や、夕立前の静けさなどの「気配」を捉えると効果的です。視覚的な白さや光、そして影のコントラストを意識すると、より臨場感のある句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 地形・ランドマーク:筑波山、武蔵野、平野、地平線、利根川
  • 自然・天候:稲妻、雷鳴、夕立、青空、群青
  • 人間の営み:野良仕事、旅路、見上げる、麦刈り、汗

坂東太郎」の俳句例 (3件)

坂東太郎しばらく動かざるに耐ふる
加藤楸邨【現代語訳】夏の空にそびえ立つ巨大な積乱雲(坂東太郎)が、まるで意思を持っているかのように、じっと動かずにその場に留まり耐えているようだ。【鑑賞】加藤楸邨の代表的な一句。ただの自然現象である雲を、じっと耐え忍ぶ人間の姿、あるいは己自身の内面と重ね合わせて表現しています。重苦しくも力強い存在感が伝わってきます。
坂東太郎聳えて筑波隠しけり
詠み人知らず【現代語訳】巨大な積乱雲「坂東太郎」が雄大にそびえ立ち、あの大いなる筑波山さえもその影にすっぽりと隠してしまった。【鑑賞】関東平野を代表する名峰である筑波山が、夏の風物詩である坂東太郎によって遮られるダイナミックな構図です。自然の圧倒的なスケール感と色彩のコントラストが見事に描かれています。
坂東太郎湧きて陸奥を圧倒す
山口誓子【現代語訳】巨大な積乱雲「坂東太郎」がもくもくと湧き上がり、東北地方の広大な大地を圧倒するようにそびえ立っている。【鑑賞】関東にとどまらず、陸奥(みちのく)の空までを支配するかのような、積乱雲の圧倒的な巨大さと威厳をダイナミックに表現した一句です。「圧倒す」という強い表現が、自然の驚異的な生命力を伝えています。

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