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「烏扇(からすおうぎ)」とは、主に黒い渋団扇(しぶうちわ)や黒漆を塗った扇のことを指す夏の季語です。柿渋に煤(すす)や墨を混ぜて塗ることで全体が真っ黒に仕上げられており、その様子をカラスの羽に見立ててこの名が付きました。実用的でありながら、どこか古風で重厚感のある漆黒の風情が、江戸時代から庶民や文人に愛されてきました。なお、アヤメ科の植物である「檜扇(ひおうぎ)」の別名として用いられることもあります。
烏扇を詠む際は、その独特な「黒さ」に着目することが大切です。白い肌や明るい夏の光とのコントラスト(色彩の対比)を意識すると、映像が鮮明になります。また、黒い団扇がはためく時の日陰の涼しさや、少し泥臭い日常の生活感、哀愁を漂わせることで、単なる団扇とは一味違った「烏扇」ならではの渋みを引き出すことができます。
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