玉巻く芭蕉
summer 生活

玉巻く芭蕉

たままくばしょう

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意味・由来

「玉巻く芭蕉(たままくばしょう)」とは、夏の季語で、芭蕉の新しい葉がまだ平らに開かず、青い円筒状に固く巻いたまま直立して伸びていく様子を指します。芭蕉は中国原産の多年草で、成長すると非常に大きな葉を広げますが、その新葉が巻き重なっている状態は「玉巻く」と表現され、内側に強い生命力を秘めた若々しくみずみずしい美しさを持っています。やがてダイナミックにほどけていく前の一瞬の緊張感や、夏のエネルギーを感じさせる季語です。

この季語で詠むコツ

まだ見ぬ未来の広がりを予感させる「秘められた力」や「瑞々しさ」に着目するのがコツです。円筒状にきつく巻かれた葉の、青く硬質な手触りや、天に向かって真っ直ぐに伸びる垂直のラインを意識すると、視覚的な鮮やかさが際立ちます。また、これから開いて風に揺れるであろう「予感」を詠み込むのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

垂直性を強調する言葉(「天」「立つ」「真直ぐ」)、色や質感を表す言葉(「青」「滴る」「固し」「光」)、静けさや風の気配を表す言葉(「風」「雨」「庭」「露」)などと相性が良いです。

玉巻く芭蕉」の俳句例 (3件)

玉巻くや芭蕉のもとの捨箒
炭太祇【現代語訳】青々と固く葉を巻いた芭蕉の根元に、使い古された竹箒がひっそりと捨て置かれている。【鑑賞】これから生命を宿して大きく広がろうとする「玉巻く芭蕉」のエネルギーと、役目を終えて静かに佇む「捨箒」の対比が、日常のありふれた風景の中に深いわびさびを描き出しています。
玉巻くや芭蕉踏み立つ足の裏
与謝蕪村【現代語訳】新葉が固く巻いている芭蕉の根元を踏みしめて立つと、そのみずみずしい土の感覚が、裸足の足の裏にダイレクトに伝わってくる。【鑑賞】「玉巻く」という植物の秘めたる生命力と、人間の肉体(足の裏)という直接的な触感の対比が面白く、夏の力強い大地の実感が伝わる名句です。
玉巻くや芭蕉はなほも風の音
加賀千代女【現代語訳】まだ葉を開かず、固く巻いた状態の芭蕉であっても、吹く風に対してすでに敏感に音を立てて反応している。【鑑賞】芭蕉は風に破れやすいことで知られますが、葉が開く前の巻葉の段階からすでに風を恐れるように、あるいは風と対話するように繊細に音を響かせる、自然の奥深さを捉えています。

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