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「守宮(ヤモリ)」は、人家の壁や窓に張り付き、蚊や蛾などの害虫を捕食することから「家を守る」と書きます。そのヤモリが、夏の夜に壁を「トクトク」と叩くような微かな音を立てることを「守宮搗く(やもりつく)」と言います。実際には「キッキッ」と喉を鳴らす鳴き声なのですが、昔の人はこれを壁を叩いて(搗いて)いる音と捉え、そこに風情を見出しました。夏の夜の静けさを強調する、非常に聴覚的で情緒のある季語です。
この季語の最大の魅力は「静寂」の演出にあります。ヤモリが立てる音は決して大きなものではありません。そのため、その微小な音が際立つような「夜の静けさ」や「住まいの静寂」を意識して詠むのがコツです。音そのものを細かく描写するよりも、その音が聞こえてくることによって引き立つ周囲の静けさや、作者自身の孤独感・没頭感を表現すると効果的です。
静けさや夜の時間を表す言葉と非常に相性が良いです。「読書」「灯火」「深夜」といった、知的な静寂を想起させる言葉や、「柱時計」「暗がり」「障子」「襖」など、古い日本家屋のディテールを表す言葉を取り合わせると、守宮の立てる音がより立体的に響くようになります。
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