開襟
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意味・由来

「開襟(かいきん)」は、シャツの第一ボタンを外し、襟を左右に開いて胸元を涼しくした着こなし、あるいはそのために仕立てられた「開襟シャツ(オープンカラーシャツ)」を指す夏の季語です。大正から昭和初期にかけて、日本の高温多湿な夏を快適に過ごすための近代的で合理的な服装として推奨され、定着しました。機能的な涼しさはもちろん、どこか健康的で若々しい青春の息吹や、昭和のノスタルジーを感じさせる独特の魅力を持っています。

この季語で詠むコツ

「開襟」を詠む際は、襟元が開いていることによる「風の通り抜け」や「肌の露出」に着目すると、夏の心地よさや開放感がリアルに伝わります。また、胸元の白さや日焼け、汗といった身体的な感覚、あるいは自転車に乗る、坂道を上るといった活動的な動作と組み合わせることで、健康的で爽やかな夏の1シーンを鮮明に切り取ることができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・風を連想させる言葉(南風、通る、抜ける、吹く) ・青春や日常の動作(自転車、坂道、切符、少年、汗、日焼け) ・色彩や光(白、青空、日差し、ひかり)

開襟」の俳句例 (3件)

開襟や少年の日のどこまでも
大野林火【現代語訳】開襟シャツを身にまとえば、かつて過ごした少年の日の思い出が、どこまでも果てしなくよみがえってくるようだ。 【鑑賞】開襟シャツを身につけた時の軽快な感覚が、作者の意識をはるかな少年時代へと誘っています。「少年の日」という言葉と「開襟」が持つ若々しく爽やかなイメージが響き合い、広大な青空や夏の原風景を連想させるスケールの大きな一句です。
開襟の胸に落したるマッチの火
中村草田男【現代語訳】開襟シャツの開いた胸元に、うっかり点けたばかりのマッチの火を落としてしまった。 【鑑賞】夏ののどかな日常の中で、開いた胸元にマッチの火が落ちるという一瞬の危うさと緊張感を捉えた句です。「開襟」の持つ無防備な開放感と、熱いマッチの火の対比が鮮やかで、一瞬のハプニングが生々しく描かれています。
開襟のうしろを風のぬけゆけり
細見綾子【現代語訳】開襟シャツの大きく開いた襟の後ろを、涼しい風がすうっと通り抜けていったことよ。 【鑑賞】開襟という衣服の構造を巧みに活かし、夏の風を触覚的に捉えた名句です。衣服と肌の間をすり抜けていく風の涼しさが、読者にもそのまま心地よく伝わってきます。シンプルでありながら極めて写実的です。

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