避暑旅行
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意味・由来

「避暑旅行」は、夏の厳しい暑さを避けるために、高原や山、涼しい海辺などの避暑地へ旅をすることを指す季語です。明治時代以降、洋風の避暑の習慣が日本に定着するとともに、夏のレジャーや保養としての旅が広く詠まれるようになりました。ただ暑さから逃れるだけでなく、涼しい土地の空気感、青々とした木々や澄んだ水、そして旅先での知的な休息といった、どこか優雅で清涼感のある雰囲気を内包しています。

この季語で詠むコツ

暑い日常から、一気に涼しい別世界へと移動する「コントラスト」を意識すると効果的です。都会の喧騒やうだるような暑さを背景に感じさせつつ、避暑地に一歩足を踏み入れた瞬間の肌寒さや、澄んだ空気の香りを具体的に描写しましょう。また、旅の道中での乗り物の窓からの景色、荷物の軽やかさなど、旅そのものが持つ高揚感を表現するのもおすすめです。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 自然や気候を表す言葉(高原、風の音、霧、朝曇、冷泉)
  • 旅の持ち物や乗り物を表す言葉(トランク、切符、夜行列車、白い靴)
  • 聴覚や視覚に訴える言葉(木々のさざめき、クラシック音楽、冷たい紅茶、リネンのシャツ)

避暑旅行」の俳句例 (3件)

避暑に来てまづ美しき畳かな
久保田万太郎【現代語訳】避暑地にやってきて、部屋に案内されてまず心惹かれたのは、青々として美しく涼しげな畳の清々しさであることよ。 【鑑賞】都会のうだるような暑さを逃れ、ようやくたどり着いた避暑の宿。そこで最初に目にした新しく青い畳の美しさは、五感に涼しみを与えてくれます。旅の疲れを優しく癒やしてくれるような、清潔感にあふれた一瞬を捉えた名句です。
避暑の客みなうつくしき夜なりけり
久保田万太郎【現代語訳】避暑地に集まっている旅人たちが、心地よい涼しさの漂う夜の中で、誰もが皆美しく上品に見える夜であることよ。 【鑑賞】涼しい高原の夜、軽やかな夏のよそおいで寛ぐ人々。都会の雑踏から離れ、心身ともにゆとりを取り戻した旅行客たちの姿が、夜の涼気の中でひときわ優雅に映ります。避暑旅行ならではの洗練されたロマンチックな雰囲気が漂います。
避暑の燈をともしはじめし林かな
星野立子【現代語訳】避暑地の夕暮れ時、林のあちこちにある山荘やホテルに、ぽつりぽつりと明かりが灯り始めたことだ。 【鑑賞】高原の別荘地などでの一コマ。夕闇が迫る中、涼しい林の中に暖色系の灯火がまたたき始める様子をシンプルに美しく描写しています。これから始まる避暑の夜への期待感と、静かな旅情を誘う叙情豊かな作品です。

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