1703年 - 1775年

加賀千代女

かがのちよじょ

作風・特徴

女性らしい繊細さと優しさが際立つ清澄な句風。自然の美しさや生活の一場面を柔らかく詠み、感情を押しつけない余白の美が特徴。

生涯・略歴

江戸中期の女性俳人。加賀国(現・石川県)白山市生まれ。「朝顔に つるべとられて もらひ水」の句で広く知られる。幼少より俳諧の才を発揮し、各地の俳人と交流を深めた。夫の没後は剃髪して尼となり、俳号を「千代尼」とした。清澄で繊細な句風は多くの人に愛され、日本を代表する女性俳人として後世にその名を伝えている。

代表句 (2件)

釣竿の 糸にさわるや 夏の月
なづな咲く方へばかりや歩みゆく
季語: なづな (spring)
【現代語訳】野原を散策していると、あちこちに咲く可愛らしい薺の花に誘われるように、ついついその咲いている方へとばかり歩いていってしまう。\n【鑑賞】春のうららかな日に、小さな薺の花に心を奪われながら、あてどもなく歩くのどかで心豊かな時間を描いています。素朴な花に対する深い愛着が伝わってくる一句です。