なづな
spring 植物

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### 意味・由来\n「なづな(薺)」は、アブラナ科の越年草で、春の七草の一つとしても親しまれています。別名「ペンペングサ」や「シャミセングサ」とも呼ばれ、実の形が三味線の撥(ばち)に似ていることからこの名があります。春になると、道端や空き地、畑の隅などに、小さく愛らしい白い花をたくさん咲かせます。どこにでも生えているありふれた雑草ですが、それゆえに私たちの生活に最も身近な春の訪れを告げる植物として、古くから愛されてきました。\n\n### この季語で詠むコツ\nなづなは、バラや桜のような華やかさはありません。そのため、詠む際には「小ささ」「ひそやかさ」「どこにでもある日常」に注目するのがコツです。目線をぐっと下げて、地面に近い視点から観察することで、なづなならではの素朴な美しさや愛らしさを引き出すことができます。また、風に揺れてかすかに音を立てるような、聴覚的なイメージを取り入れるのも効果的です。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\nなづなは日常の風景によく溶け込むため、以下のような素朴で生活感のある言葉と相性が良いです。\n- 地形・場所:路地、垣根、道端、空き地、日向(ひなた)\n- 日常・生活:犬の散歩、足元、錆びた自転車、土手\n- 状態・五感:揺れる、かすか、白、のどか

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なづな」の俳句例 (4件)

よく見れば なづな花咲く 垣根哉
よく見ればなづな花咲く垣ねかな
松尾芭蕉【現代語訳】ふと注意してよく見ると、名もないような垣根の根元に、ひっそりと白い薺の花が咲いていることよ。\n【鑑賞】見過ごしてしまいそうな小さなものに目を向け、生命の愛おしさや自然の静かな美しさを発見した喜びを詠んでいます。「よく見れば」という導入が、読者の視線を優しく足元へといざないます。
なづな咲く方へばかりや歩みゆく
加賀千代女【現代語訳】野原を散策していると、あちこちに咲く可愛らしい薺の花に誘われるように、ついついその咲いている方へとばかり歩いていってしまう。\n【鑑賞】春のうららかな日に、小さな薺の花に心を奪われながら、あてどもなく歩くのどかで心豊かな時間を描いています。素朴な花に対する深い愛着が伝わってくる一句です。
なづな咲く路地のひなたや猫の飯
小林一茶【現代語訳】路地の温かいひだまりに薺の花が咲いており、そのすぐそばに、これまたのんびりと猫の餌が置いてある。\n【鑑賞】生活のにおいがする路地裏の光景を、一茶らしい温かくユーモラスな視線で切り取っています。可憐な薺の白さと、日向ぼっこをするようなのどかな生活感が絶妙にマッチしています。

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