栗咲く

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くりさく

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意味・由来\n「栗咲く(くりさく)」は、初夏(仲夏)に栗の木が黄白色の細長いブラシのような花を咲かせる様子を表す季語です。栗の花は、桜のような華やかさはありませんが、独特の強い青臭い香りを放ち、山野や里山を白く染め上げます。この力強く、かつどこか泥臭い生命力と独特の匂いが、古くから季節の移り変わりを実感させる象徴として親しまれてきました。\n\n### この季語で詠むコツ\n「栗咲く」を詠む際は、視覚的な「白さ」や「群れて咲く様子」だけでなく、その「独特の強い香り(匂い)」や、梅雨時の「湿った空気感」に焦点を当てると効果的です。また、華やかな花ではないからこそ、素朴な日常や静かな山里の暮らしと組み合わせることで、深い味わいが生まれます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n* 嗅覚・空気感:匂い、むせぶ、雨、曇り空、湿気\n* 生活・風景:山路、畑、夕暮れ、庵、家路

栗咲く」の俳句例 (4件)

世の人の見付ぬ花や軒の栗
世の人の見付けぬ花や栗の花
松尾芭蕉【現代語訳】世間の人々がその美しさに気づかず、見向きもしない花であることよ、この地味な栗の花は。\n【鑑賞】華やかな花ばかりがもてはやされる世の中で、誰にも顧みられない栗の花に目を向け、その素朴で飾らない美しさを愛おしむ芭蕉の温かいまなざしが込められた名句です。
栗咲くや我が世の隅に畑一つ
尾崎紅葉【現代語訳】栗の花が白々と咲いている。私のつつましい人生の片隅に、小さな畑が一つだけあることよ。\n【鑑賞】世間の喧騒から離れた自らの静かな暮らしを「我が世の隅」と表現し、そこに咲く栗の花とささやかな畑に深い充足感と愛着を見出している、味わい深い一句です。
栗咲いてどこからともなく山暮るる
飯田龍太【現代語訳】栗の花が咲きこぼれる中、どこからともなく静かに山が夕暮れに包まれていく。\n【鑑賞】薄暗くなる夕闇の中で、栗の白い花だけがぼんやりと浮かび上がり、山全体が夜へと移行していく静謐な時間を、極めて自然体かつ大きなスケールで描写しています。

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