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### 意味・由来
梅は、バラ科の落葉高木で、早春の寒さの中でいち早く花を咲かせることから「百花の魁(さきがけ)」と称されます。中国から渡来したとされ、万葉集の時代には桜よりも梅のほうが愛でられていました。厳しい寒さに耐えて咲く姿は、高潔さや忍耐の象徴としても重んじられてきました。現代でも、春の訪れをいち早く告げる代表的な季語として、多くの人々に親しまれています。

### この季語で詠むコツ
梅は桜と違って、一斉に華やかに咲き誇るというよりは、寒さのなかで一輪一輪が凛として咲く姿が特徴です。そのため、視覚的な美しさだけでなく、寒風の中に漂う「香り(匂い)」や、ゴツゴツとした幹の「力強さ(古木)」に注目すると、より梅らしさが引き立ちます。また、白梅の「白」や紅梅の「紅」といった色彩の対比も、句を詠む際の良いアクセントになります。近寄って一輪を見つめる視点と、遠くから梅林を望む視点を意識して使い分けると良いでしょう。

### 相性のいい言葉・取り合わせ
- 嗅覚や五感に訴えかける言葉(「香り」「こぼれる」「微風」「風の音」)
- 寒さと温かさの対比を表す言葉(「残雪」「日差し」「日和」「朝の冷気」)
- 質感や歴史を感じさせる言葉(「古木」「苔」「垣根」「庵(いおり)」「山路」)

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」の俳句例 (5件)

隅々に 残る寒さや 梅の花
梅遠近 南すべく 北すべく
梅が香にのっと日の出る山路かな
松尾芭蕉【現代語訳】梅の清々しい香りが漂うなか、早朝の山道を進んでいると、太陽がひょっこりと力強く昇ってきたことだよ。 【鑑賞】早朝の寒さのなかで梅の香りに包まれていると、突然太陽が姿を現し、あたりを暖かく照らし始める劇的な瞬間を捉えています。「のっと」というオノマトペが、日の出の力強さと、自然に対する驚きを生き生きと表現しています。
しら梅に明る夜ばかりとなりにけり
与謝蕪村【現代語訳】白梅の白さによって、夜が明けてゆくその境界すらも、ただ白一色に溶け込んで明るくなっていくようだ。 【鑑賞】闇夜に浮かぶ白梅の姿と、東の空から白んできた夜明けの光が一体となる幻想的な風景を詠んでいます。夜から朝への時間の移行を、白梅の「白」という色彩のグラデーションで見事に描き出しています。
白梅のあと紅梅のこぼれけり
高浜虚子【現代語訳】先に咲いていた白梅の花が散りゆくなかで、今度は紅梅の花がこぼれるように咲き誇っている。 【鑑賞】「こぼれけり」という表現が、散る白梅と、咲きこぼれる紅梅の両方の美しさを絶妙に暗示しています。春の訪れとともに主役が白から赤へと移り変わる、庭や自然の静かな生命力の躍動を捉えた名句です。

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