1892年 - 1981年

水原秋桜子

みずはらしゅうおうし

作風・特徴

叙情性・主観性を写生に持ち込み「見る」だけでなく「感じる」俳句を追求した。流麗なリズムと繊細な情感が特徴で虚子の枯淡とは対照的な豊かで色彩的な世界を描く。

生涯・略歴

東京府(現・東京都)生まれ。高浜虚子の「客観写生」に疑義を呈しホトトギスを離脱「馬醉木(あしび)」を創刊した近代俳壇の革新者。俳句に叙情性・主観的感情を取り戻すべきと主張し新興俳句運動の端緒を開いた。医師(産婦人科)としても活躍した異色の俳人。山口誓子・阿波野青畝・高野素十とともに「ホトトギス四S」と称された。

代表句 (4件)

夏至の雨大地を打ちて降りしきる
野の百合の白をたよりに歩みけり
ぎぼうしの花咲きそろひ雨となる
くららの花こぼれて高き庵かな
季語: 苦参 (autumn)
【現代語訳】くららの黄色い花がこぼれるように咲き、散っている。その視線の先には、小高い場所にぽつんと佇む庵が見えることだ。【鑑賞】野性味のあるくららの花と、俗世を離れた静かな庵の取り合わせが、一幅の東洋画のような静謐で美しい世界観を形作っています。